
残念ながら、ソロモンは全くというほど内容に関係してきません。その点では、隠された秘宝にハクをつける為だけに用いられた空虚な装飾語に過ぎませんでした。で、内容的にはどうなの?って言われると、私的にはそれなりに面白かったかなあ~。
この小説は、あくまでもトレジャーハンティングを目的としながら、そこに辿り着くまでの秘境での探検を描くのがポイントになっています。砂漠での熱砂地獄との闘いに、異国の土人達(昔の小説の為、こういう表現がされています)との交渉・事件の諸々。血湧き肉踊る、とでもいうような男のロマンをくすぐる事件の数々。実際、少年少女の冒険活劇ってカンジでしょうか?
もうこれ以上はないっていうぐらいの王道中の王道を歩む、正統派の冒険ジュブナイル物ってとこですね。根本的な謎解きはされないままですが、ストーリー上で必須の部分は、きちんと読んで納得のいく説明がされていきます。割り切って読む分には、結構面白いです。読んでる最中は、それなりにドキドキして昔に戻った感じ。そうだなあ~、子供の頃に読んだロプノール湖みたいなもんかな?(ご存知でしょうか、砂漠に消えた幻の湖で移動すると言われるアレです)
今は、同時進行で「エチオピア王国誌」(キリスト教の神父が実際に旅をした旅行記なんですが、これがこの小説以上に興味深い。まだ途中なんですが…)を読んでますが、これなんかと近い系統かな?こちらは史実でソロモンの方は小説ですが。
この小説は、ノリとしては川口宏の探検隊みたいなもんです。昔は欠かさず見てたなあ~。胡散臭いながらも、大好きでした。私的には「失われた世界」とかの仲間だし。まあ、実際にギニア高地があるからね! 秘境探検物、愛好者には基本の書ですね。今では、古典的ともいえるお約束の数々が嫌ってほど、忠実に守られています。ここで言っちゃうと話が終わってしまうので、書くのは控えますけど…。その筋に人は、目を通しておくべき古典ですね、やはり。白人と土人との駆け引きとして、これ以上無いくらいの定番さは別な意味で驚きを与えてくれるかもしれません(呆れるかもしれませんが?)。
軽く粗筋を述べると。
主人公である元猟師は、とある事情から砂漠にあるという財宝とそれを探しに出掛けたとされる人物(一行の血縁者)探しの為に、熱砂の砂漠を横断する旅に出ます。いかなる因果か、そこを訪れ、実際に財宝を見つけたという人物が残した地図を主人公達は所有しており、それだけを頼りに命を賭けた大冒険に繰り出すのです。このプロットからして、定番以外の何物でもないです。
これ読んで早速探検に出たくなってしまいました。また、ブラジルのアマゾンとか行ってみた~い! 敦煌にラクダで行くのもいいなあ(今は、飛行機で楽に行けるそうです。石油が近くから出るんだって…時代は変わりました)。あと探検物といえば、「クムラン洞窟」。こっちを読んだことなければ、絶対にこちらをお薦め!! 改めて、こちらのレビューを書くつもりですが、これ読んだら、もうじってしていられなくなるかも?頭に映像がこれほど鮮明に浮かび上がる小説もないなあ~。冒険好きには堪らない一冊です!!
そういえば、友人がこんど北京ーウランバートル間のラリーに出るそうですが、凄いなあ~まさに砂漠を疾走する冒険家ですね。こういった行動力が私にも必要だなあ。頑張らないと!!GW明けでエアーが安くなったら、久しぶりにどっか行きたいな、海外。
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でも、嫌いじゃないです。この本のノリも。