
肩書き的には学者でも、まず、まともな正統派の方ではなさそうでその発言内容も薄っぺらで中身がないです。まして作家とか自称研究家の方の場合は、どこをどうしたら、そんな結論が出るのか一切の説明無しに、勝手な自説の主張をされています。イエスをエジプト人の魔術師だとか書いていた自称・研究家さんを彷彿とさせるような記述の数々。歴史を独自の陰謀史観で解釈しているといえば、聞こえがいいですが、その域にもいっていないでしょう。良い子は信じちゃ駄目だよ~(笑顔)。
とまあ、この出版社も普段はそこそこまともな歴史物を出しているんですが、眉唾ものの俗っぽい方がきっと売上がいいのでしょう。定期的に別冊でこういったトンドモ本系の出してます。これもそれ系です。
散々、否定的な事を書きながら、何故この本を読んだかというと、オプス・デイについて書かれていた記事があったので。ただ、それだけの為に図書館から借りてきたのでした。じゃなきゃ、いらないもん!
さて、本題。記事のタイトルは「オピュス・デイ ラテン国家における権力者たちのネットワーク」(オプス・デイをここではオピュス・デイと訳出している)となっていて内容は・・・。
どこまでが本当かは、この本自体の作りについて既に述べているので、はなはだ怪しい?とだけ言っておきますが、中には私が知っている事実も含まれていたので、とりあえず、興味深いとこを抜書きしてみると、
ポーランドのカルロ・オイチワが、オプス・デイ会員であるベニスのコーニング枢機卿の助力で教皇ヨハネ・パウロ2世になると、オプス・デイの勢力は更に伸び、教皇の母国ポーランドの共産主義打倒の為に資金援助して、感謝された。教皇はオプスの力を認め、既に枢機卿になっていた創立者エスクリーバーを福者に“列福”させ、オプスの二代目ロドリゲス枢機卿を自分の相談役に登用した。
ラテン国家で起きた解放の神学、大地主の土地を貧者に与えようという進歩的な司祭の運動はパウロ2世とオプスは否定。改革を指導した司教は暗殺され火は消えた。改革に反対した反共のペルーのフジモリ元大統領、現イタリアのベルルスコーニ首相夫妻はオプスの熱心な支持者だ。
82年イタリア最大のアンブロシアーノ銀行がマフィア銀行家ミケーレ・シンドナとフリーメイソンに食われて倒産。カルビ頭取は鉄橋で首吊り死体。シンドナは裁判で真相暴露を表明したが、刑務所で毒殺された。同年、スペインの大富豪でオプスのパロトン、ホセ・マリア・マテオスが脱税と不正金融操作で逮捕。彼は3億ペセタの献金を認めた。実はバチカン銀行(IOR)の懇願で、アンブロシアーノ銀行の倒産を防ぐためのカネだった。教皇庁は職員の給料が払えなくなり、IORのコンサルタントであるシンドナの指導で株投機をしたが失敗。その資金を頭取カルビが貸したが、返済不能になりアンブロシアーノ銀行倒産につながった。教皇パウロ2世は真実を知ると、IOR総裁マルチンスク大司教をクビにした。前教皇が就任直後に急死したのは巨額な欠損を知り驚愕した為だと言われた。
とまあ、こんなこととかがいろいろと書き連ねてあります。他にもオプス・デイが右翼政権との間に、どれほどの蜜月を過ごしてきたかなど有名な事実もありますが、市販の百科事典にも出ていますし、私の用語集でも採り上げ済みなので割愛しちゃいます。どこまでが真実でどこからが濡れ衣かは皆さんでご判断下さい。全部嘘かもしれないし…???
宗教と政治は本当に密接に結びついていますね。現在のバチカンに来ている世界各国の首脳を見ていても思いますが・・・バチカン外交花盛りですし。
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