2005年04月26日

「図説 ヨーロッパ不思議博物館」宇田川悟 河出書房新社

hakubutu.jpgヨーロッパにある毛色の変わった博物館を紹介する、というのが商品コピーなのですが、本を読んだ限りではどこにもあまり行きたいと思いませんでした。まず、著者がフランス以前いたせいでしょう、ヨーロッパと言いつつフランスの博物館が多い。候補選択が偏っています。しかもこういっては失礼だが、どうでもいいようなものがかなり採り上げられているような気がするのですが・・・?都内にある変わった博物館を特集したものと大差無いのでは、わざわざ海外物を紹介する意味が無いのではないでしょうか?

ヨーロッパに限定する意味が分からないし、世界中にはもっと興味深い博物館が山ほどあるのに、不満が残ります(名称は忘れてしまいましたが、タイのあの有名な博物館の方がはるかに興味深いです、確か無料だったし)。何よりも、著者は博物館を好きなのでしょうか? 書かれている文章に情熱を感じられない。淡々と語るのもいいが、展示されているものついて書かれている事柄が恐ろしく薄っぺらい。採り上げる題材もつまらないし、そこから引き出されるエピソード的なものも面白くない。

こういうものを紹介するに際しては、著者の好奇心に満ちた情熱と一見、無駄なような博識の奇怪な結びつきがないといけないと思うのですけど・・・。少なくとも、私にはどちらも感じられなかった。改めて、これ見て行きたいと思わないなあ~。

実際、行く機会があった博物館も何ヶ所か紹介されているんですが、もっと興味深いものがあり、必然的にプライオリティーの低いそこには行かなかった覚えがある。確信犯的に行ってられない所だし、もっと人の心をひく紹介をしてくれないとねぇ~。本当は、こういうの好きなだけに、余計裏切られたようでがっかりしたので酷評になってしまったかも?

ただ、博物館自体に罪はないので、本を無視して面白そうかなと思ったところは、モナコ海洋博物館、中世刑罰博物館、ボローニャ人体解剖博物館とかかな。時間に余裕があれば、行ってもいいかもしれない。でも、美術館や史跡とかを回ってまだ時間が余ったらだけどね。

図説 ヨーロッパ不思議博物館(amazonリンク)
posted by alice-room at 19:13| 埼玉 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | 【書評 美術】 | 更新情報をチェックする
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