
第一部は、著者が数々の文献から推測して作り上げた自説(=仮説)を元にして描いた小説(もどき)になっていて、第二部はその仮説の背景たる文献や文献から比較考証した内容の解説になっています。
アレクサンドリア図書館と言えば、現代では失われたまさに「古代の叡智の宝庫」であり、本好き(或いは研究者)なら誰もが垂涎の的とする存在ですが、それについての資料的なものを想像して読んだのですが、なんか違う感じです。
最初の小説もどきが実につまらないし、正直何が書いてあるのか意味が分からない。私には、そっくり第一部全体が不要なように感じた。文章自体も全くいけていない。
更に第二部ですが、相変わらずダラダラと文字が書かれているだけで全然私には関心が持てず、資料を生かしているように思えなかった。最初に結論部分を示して、その後に資料相互の比較や考察ならまだ意図も分かるのだが、そうではないようで実に冗長な文章のように感じた。
アレクサンドリア図書館がいかにして失われたかが主題のようなのだが、個人的にはそんなことよりもそこに納められた文章の内容の方がはるかに関心の対象である為、余計に不満が溜まった。
私的には時間の無駄以外の何物でもなかった一冊。歴史的なミステリーというのはなんともおこがましい感じがする。つまらなかった。
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