2005年04月28日

「かわら版 江戸の大変 天の巻」稲垣史生 平凡社

edo1.jpgかわら版を元にして読み解くっていうか、完全に好事家(マニア)的な視点でコメントつけてるのがいいかも? いわゆるイエロー・ペーパーみたいなもんです。現代でいうなら写真週刊誌のたぐい。大衆の好奇心を満たす為の俗っぽさが隠れミーハーの私には、なんか愉快♪♪

江戸って、よっぽど火事が多かったみたい。まあ、あれだけ人口が密集していれば、しょうがないか。現在の東京の過密さに引き継がれてるなあ~。そんなこんなでここに採り上げられているのは火事の記事が多い、でも個人的にはつまらないですね。せいぜい、有名な振袖火事ぐらいか面白いのは。

会津磐梯山の怪獣 江ノ島、人語を解する海獣 奇病除けのスカ屁


むしろ、お薦めの記事はそれよりも妖怪や怪獣、化物の類い。駱駝が見世物として来たなんて記事もあり、なかなか興味深い。コアラやパンダが来たといって上野動物園に集まってきた人達なら、間違いなく当時だったら、見に行くでしょう。勿論、私も行くなあ~。最も、今だったら愛知博でマンモス見ている人と一緒ですネ。

アラビア産ラクダ ふたこぶラクダ

ちなみにこの駱駝、足に三節あって水脈を探り当てる天性で日本人を驚かしたらしい。押すな押すなの大評判で見料が三十二文。それで読まれた狂歌が

    押あうて見るよりも 見ぬがらくだろう
    百のおあしが 三つに折れては 

日本人のこういうセンスって好きです。コンクラーベよりも洒脱な感じがしません?

胴体に三つ目人魚次は三つ目の人魚が越中湾に現る! 
越中国の四方浦に人魚が現われ、漁船を悩ますので鉄砲でしとめると・・・。丈三丈五尺(約10m)、頭に金色の角が生え、胴体の両側に三つの目があるという奇怪さ。顔は勿論、若い女、人魚は永遠に老衰しないといわれ、これを食えばたちまち若返る。

う~ん、もし捕まえてヤフオクで売ったら、一千万以上は堅いね! お金持ちのおば様に買ってもらえそう(ニコニコ)。ここで書かれている古川柳が、もう最高!!

    あの芸者人魚を 食ったかも知れず

いやあ~、分かる。分かり過ぎるほど、分かってしまいますね。経費で落ちない領収書を山のように持って頭を抱えている男性諸氏が目に浮かびます(爆笑)。

飛騨の大ムカデ 飼い主を殺す?怪猫

他にも興味深いのはたくさんあるんですが、後ほど写真をいくつかアップしますね(ようやく写真をUP! クリックで大きくなります)。こればかりは、映像を見ないと話だけでは分からないし。個人的には、そこそここういうのスキ。

関連リンク
「かわら版 江戸の大変 地の巻」稲垣史生 平凡社

江戸の大変 かわら版〈天の巻〉地震・雷・火事・怪物(amazonリンク)
posted by alice-room at 22:21| 埼玉 ☁| Comment(2) | TrackBack(1) | 【書評 未分類A】 | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
alice-roomさん、こんばんは
人魚つながりということで、TBさせていただきます。
三つ目の人魚の同じ記事の瓦版なのに、何故か僕が持っている資料は白黒でした。彩色版と白黒版があったのでしょうか?
一部しか関係ないので申し訳ないのですが、よろしくお願いいたします。
Posted by lapis at 2005年10月25日 00:35
うわあ~、面白そうなお話ですね。後でじっくり記事を拝見させて頂きます。同じ亙版の絵でも違うんですね。面白いなあ~。
TBどうも有り難うございます。
Posted by alice-room at 2005年10月25日 04:11
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