2007年01月25日

「上海幻夜 七色の万華鏡篇」藤木 稟 徳間書店

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盲目且つ秀麗な美貌を併せ持つ冷笑家の探偵役で人気の朱雀シリーズから出てきた番外編。朱雀が5歳の頃の上海を舞台にしている。(本書は既に推理小説ではなくなっていることに注意!)

もっとも私個人は朱雀自身にはさほど興味がなく、本書も朱雀シリーズの番外編と言いつつ、朱雀は決してメインとは言えない。むしろ番外編ということで、朱雀以外の登場人物を実に生き生きと描いている。

国際的な政治都市であり、列強各国や各種諜報機関、現地勢力の陰謀のるつぼたるこの都市で、次々に進行していく各種の謀略など実に、舞台立てが魅力的である。

しかも何でもありのこの時代、この都市を踏まえて著者がかなり趣味に走って書いているようにしか思われない内容がなんとも楽しい♪

纏足やら宦官の話など、非人道的と非難されるような内容を著者は嬉々として描いています。私の持っている資料系の本にもその辺りの詳しい話は載っていて以前から知っていただけに、より一層そそられてしまいます。阿片窟の話とかも何故か好きなんだよねぇ~。廃人ってなんかそそります。阿片による廃人っていうと、私はすぐにオスマン・トルコとかの王位継承者を部屋に閉じ込めて、阿片付けにして美女をあてがい飼い殺しにした史実などをどうしてもイメージしてしまったりする。

もっとも本書では、それとは全然違った描き方をしていますが、この手の分野を凄まじい筆力で生き生きと描かれています。本当に著者って怪しい精神構造をしていらっしゃる?!

ただ、著者はいろいろとお疲れのようで実際にいささか精神のバランスを崩されてしまったようです。早く元気になって、今後の作品にも期待したいですね。一ファンとしては。

個人的には、満鉄や軍部、特務機関に匪賊や馬賊、清王朝の奸臣などの活躍も期待しております。特急あじあ号に乗りた~い!(本に出てくるか不明ですが)。

当時の日本郵船の世界旅行パンフなど、個人的には『萌え』だったりします。
そういうのを見るたびに当時の中国に独特の憧れを抱いてきた私としては、本書はかなり面白いです。それはそうと・・・、今年は中国の凄さを実感しに行くべきだろうか???う~む、いつでも行けるだが・・・。
 
上海幻夜 七色の万華鏡篇―朱雀十五シリーズ(amazonリンク)

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ラベル:小説 書評
posted by alice-room at 20:22| 埼玉 ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | 【書評 小説A】 | 更新情報をチェックする
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