均一棚で掘り出し物を見つけるのは、単純に古書を買う以上に自分が目利きであるかのような錯覚(=自己満足)を与えてくれるので確かに醍醐味なんですが、手法的なことは大したこと書かれていません。つ~か、こんなの当たり前で特に何も学ぶことはありません。
ましてネットでの本の売り方、買い方は並以下ではないかと思います。本当に欲しい本を得る為なら、もっと努力してもいいのでは?などと余計なおせっかいを考えてしまいました。
個々の本についての思い入れたっぷりの話も、私が興味を持つジャンルでないうえにその本自体に魅力(本自体が持つ故事来歴等)を十分に説明できていない為、著者の気持ちに対してイマイチ共感できません。
ただ、古書が好きという気持ちは大いに理解できますし、値段は安くてもついつい自分なりに古書の美点を見出し、拾い上げてあげる、そんな気持ちを持つのには大いに共感できました。
ただ、著者とは違い、古書市の目録を毎日目を通したりはしませんけどね。さすがの私も。今年になって私のとこにももう3冊ぐらい古書市の目録が送られてきてますが、最近古書市に行ってもめぼしいものがなかったりするんで足が遠のいてるなあ~。
来週、再来週も古書市覗いてくる予定ですが、面白いものあるといいなあ~。
そういえば、先週末にライフから出てた大判の「人間世界史」シリーズの「信仰の時代」と「宗教改革」の本を買ったが、一冊100円だもん。まあ、40年ぐらい前のものだが、中は綺麗なのにね。置き場所に困るが、こういうのを買うのも古書の楽しみの一つ。
そして、本書の中で著者も触れていますが、問題なのは購入した本の置き場所の確保。著者は月に100冊以上も買うそうですが、そりゃ置き場所ないでしょう。私もいつもそれに頭を痛めていたりする。
まあ、私の場合は一度読んで保存する本とそうでない本をばっさりと分けてしまって、不要な本は随時処分していますが、著者は読まずに積読状態の本が異様に多いそうで、保存するか否かの分別さえできないままに溜まっているそうです。
そりゃ確かに大変とひとごとながらに思います。その処分方法も書かれていますが、古本屋に持っていくだけとは、正直言ってこれでは駄目だなあ~と思いました。
本書全般に言えることは、考え方が非常に古くて数十年前のやり方をただ踏襲しているだけのようです。別に古書漁りに効率性が大切などという野暮は言いたくありませんが、少なくとも長年にわたって古本病にかかってきたというぐらいなら、もうちょっと工夫をされた話を期待したいものです。かなり期待外れかも?
内容はほとんどないので、暇なときにパラパラと漫画や雑誌のように読み飛ばすタイプの本です。ただ、読み易いので時間つぶしには使えるかも。私も難しい本を読んで疲れた時に、漫画代わりに本書を読みました。その程度のものです。
関西赤貧古本道(amazonリンク)
【目次】関連ブログ
第1部 基礎篇
(それなりに作法はある、入口の均一台で大発見 ほか)
第2部 応用篇
(古い雑誌の山に向かう、上林暁まとめて十八冊 ほか)
第3部 実践篇
(古書目録の楽しみ、古本祭り攻略法 ほか)
第4部 番外篇(私のこれくしょん―ベスト5
京都大阪古書店案内)
「古書街を歩く」紀田 順一郎 新潮社
「本の国の王様」リチャード ブース 創元社
「古書法楽」出久根 達郎 中公文庫
「古書店めぐりは夫婦で」ローレンス ゴールドストーン, ナンシー ゴールドストーン 早川書房
「古本屋さんの謎」岡崎 武志 同朋舎
「世界古本探しの旅」朝日新聞社