おそらく本書に関する情報ってほとんどないと思うので、まずは粗筋から。
主人公は、大学の教授で古文書学の専門家。ユダヤ人だが、ユダヤ教の教えに従うことなく、普通に生活をしている。そして彼の元にイスラエルで発掘されたという古文書のコピーが届き、その解読を担当することになる。
古文書は死海文書同様に、壺に入って保管されていたものでそれは、イエスの死後まもない頃のものであった。発掘の進展状況に応じて、国際郵便により数枚の写真で少しづつ届けられる古文書を解読いていくうちに、主人公はいつしかそれを描いた主人公と同一化していってしまう。
歴史の謎解きや、キリスト教の隠された謎、といったありがちな路線を期待していたのだが、読んでいくうちに段々変な方向に向かっていき、頭のおかしい人の話になっていくのが私にはどうしても理解できない? 何故、そうなっていくのかも不明だし、最後になっても説明がされていない。そして、そのおかしくなっていく過程でフィアンセとの仲が壊れ、教え子に手を出すのだが、この余計な男女関係の記述がただでさえ、つまらない内容を更に台無しにしている。
具体的な古文書の内容部分は書かないが、読み終わってがっかりするほどつまらない。著者が書きたかったのは、キリスト教のミステリーではなく、それにちょこっとだけ絡めた低俗な恋愛もの(或いはオカルトもどき?)だったのではないかと思ってしまう。
私的には思いっきり駄作の分類に当たるだろう。長らくこの本は絶版だったので原作の洋書で読もうと思っていたが、買わなくて正解でした。いやあ~、安くて買って良かった! プレミアム価格で買っていたら、またストレスが溜まるところでした。
もっと面白い本読みたいなあ~。
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