
この値段からすると、資料として入っているポスターや絵葉書、切手などだけでも購入する価値があるように思います。それぞれについて明確な政策的な意図があり、その為の手段としてありとあらゆるものが総動員された当時の状況が目に浮かぶようです。

個々の項目についての説明は、どうしても総括的で要約されたものとなっているし、記事の執筆者によって内容のレベルにバラつきがあり、しょうもないのもありますが、歴史としての満州国について最低限度の基礎知識があれば、本書の一冊でかなりの部分を概観できます。
いきなりの入門書としては辛いかもしれませんが、少しは分かっている人が見ると逆にとっても楽しめる本だと思います。ここで採り上げられているテーマは、それぞれ更に詳しい本が無数にありますのでこれをきっかけに読んで理解を深める為の準備としても十分に使えると思います。
満鉄の調査部等については、日本初のシンクタンクであり、そこに集められた頭脳は、今の銀行系のシンクタンクよりははるかに上なのは間違いないです。それに私も以前から関心のあったかつての革新官僚で、『昭和の怪物』と呼ばれた岸信介氏のことなど、実に興味深いです。現在の自民党を考えるうえで、その影響を無視し得ないのは事実でしょう。
大連の都市計画や、満州国の金融制度など、本当にいろいろな面で興味が尽きません。それと満州映画協会とかね! 季香蘭だけではなく、怪し過ぎますね。アヘンを資金源する経済運営など、実に&実に面白いです。


斬新なデザインで非常に訴求力の強いポスターなど、今、街中で見るポスターよりはるかにセンスが良いのは何故なのかなあ~???
満洲帝国―北辺に消えた“王道楽土”の全貌(amazonリンク)
【目次】関連ブログ
<特別折込>夢の超特急・満鉄「あじあ号」/復刻・満洲帝国地図
<巻頭カラー>満洲 国ポスター/ラストエンペラー・溥儀の生涯/満洲国の切手
<分析>満洲の馬賊/満 蒙独立運動/関東軍/満鉄/「五族協和」の実像/満洲とアヘン ほか
古本まつり(西武百貨店)
「最終戦争論・戦争史大観」石原 莞爾 中公文庫
興味があるので、一冊購入しました。書名どおり、ビジュアルな画像がいっぱい掲載されておりました。
目次は、以下のとおりです。
プロローグ…満洲国のメディア戦略と弘報(満洲国は「傀儡国家」?/満洲イメージの形成/「武器なき戦争」/エフェメラル・メディアということ/日露戦争と絵はがきブーム/記念日とメディア・イベント)/「五族協和」と国家シンボル(多民族国家としての満洲国/二つの国歌/国旗の制定)
以下細目略
/ギャラリー1/「大富源」と「観光満洲」のはざまで/ギャラリー2/「建国」と「承認」をめぐるメディア・イベント/ギャラリー3/「建国一周年」をめぐる攻防/ギャラリー4/帝政への転換と日満関係/ギャラリー5/日中戦争と弘報一元化/ギャラリー6/国防体制の強化と「健康満洲」/ギャラリー7/決戦体制下における弘報独占主義/ギャラリー8/建国10年の「成果」と「課題」/ギャラリー9/エピローグ…人々は満洲メディアをどう見たか
出版社のHPに詳細記事もありました⇒http://www.yoshikawa-k.co.jp/book/b61604.html
以上、おせっかいながら、ご報告まで。
リンク先、拝見しました。当時の世相を反映した非常に興味深いものがたくさん載っていそうですね。
情報、どうも有り難うございます。
うわあ~、買ってしまいそうです(笑顔)♪
問題は、買った本の置き場だけです。ふう~、本の置き場がなくて頭が痛いです。でも楽しみです。どうも有り難うございました。