2013年03月24日

「ブラック会社に勤めてるんだが、もう俺は限界かもしれない」黒井 勇人 新潮社

2ちゃんねるのスレから始まり、映画までなって一躍有名になった「ブラック」企業のはしりですね。
ちょっと流行り物には抵抗感あって、手に取る気はなかったのですが、たまたま見つけたので読んでみました。

横書き、且つ、スレの感じを再現した紙面レイアウトに最初はかなり違和感というか、拒否感があったのですが、読み進めると内容が面白いことと相まって、なんかイイ感じ♪

実に面白いし、いい話ダナ・・・・ってな内容でした。

しかし、酷過ぎる会社ではあるんだけど・・・・いかにも実在しそうだったりする。
ニートだった新入社員が2週間でリーダーって、どんな抜擢人事だよ~(笑)。

うちの職場の上司も抜擢人事っちゃ~人事だけど、30半ばだからなあ~。
以前いた会社では25歳で部署の責任者やらせてたし、私自身も中途入社2年の30歳前後で部署のトップやってたぐらいだから、まあ、珍しくもないのだけれど・・・・。

そういやあ~以前、ブラジル行った時に知り合いになった方は30歳前後で中南米全域の責任者やってたしなあ~。日本の大企業でも海外ではそういう人事をしていたりする。

人事はおいといても、本当にいろんな人いるからなあ~。
登場人物がどいつもこいつも曲者なのですが、いやあ~本当にそういうのがいるから、思わず、頭に浮かんでくるような、なかなかリアリティーある描写がまた素敵です♪

上司や管理職をやらせてはいけないのが、そのポジションにいるのって普通にある日常の悲劇だし・・・・。
スケジュール的に無理な仕事を、無理やりやって周囲の人がつぶれていくってのも、たくさん見てきたしなあ~。

大企業だろうが、中小企業だろうが、老舗だろうが、ベンチャーだろうが、確かにそういう環境はあったりもする。潰れてしまった人もたくさん見てきたし、自分も潰れかねい場合も何度もあったしね。

そういう意味で本書の世界は、決して他人事ではなかったりする。
でも、本書の会社はすぐ辞めた方が良い、まさに「ブラック」企業であることも確実ですけどね。

しかし3人いれば、派閥が出来るというが、どんな小さな集団でも組織を動かすには、相応のノウハウが必要なことを再認識させられますね。みんな、いろんな事情を抱えて生きて、そして働いている訳です。うむ。

主人公の成長と周りの人間が実に、生々しくて読んでいて大変興味深いです。
そして、どこにも素晴らしい人がいて、駄目なやつがいて、ドラマがあることを感じました。

結構、心にジ~ンんとくる熱いものを覚えたりね。
なかなか読ませる物語です。素直に面白かった!
【目次】
第1章 死の行軍
第2章 飛翔か堕落か、プロジェクトリーダー
第3章 そして廃人へ…
第4章 平成の孔明、マ男に過去を語る
最終章 もう俺は限界かもしれない
ブラック会社に勤めてるんだが、もう俺は限界かもしれない(amazonリンク)
posted by alice-room at 17:32| Comment(0) | TrackBack(0) | 【書評 未分類B】 | 更新情報をチェックする
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