2005年05月07日

「聖書のヒロインたち」生田哲 講談社現代新書

hiroin.jpgマグダラのマリアの資料を集めたくて読んだ本です。内容はとにかく読み易い! あと、非常に分かり易い! それはすっごくいいと思うんです。全然、聖書関係のことを知らないでちょっと興味を持って読むには、いい入門書かも?

ただ、ある程度聖書のことを知っている人なら、読まなくていいと思います。恐らく、新しい知識は一切得られません。読んで失敗した、とか感じることはないですが、役に立つことも私の場合はありませんでした。勿論、感動もないですね。

それと、分かり易いのはいいのですが、ちょっと気になったこと。分かり易いたとえとして、現代風の事例を入れるのはすごく不自然に感じて違和感を覚えた。だって「ホステス務めの女性がお泊りサービスもしていた外国企業の駐在員と恋に落ちた~」とかいう例を出せれても??? 分かり易さを優先し過ぎて、いささか俗っぽ過ぎるのはいただけないなあ~。他にもこの手のたとえがたまに出てきて、非常にさめる。

まあ、聖書の出てくる人物を女性という観点で抽出し、どういうエピソードがあるのかを紹介・説明してくれる本です。私は読まなくても良かった一冊です。以下の目次で興味のある人がいて、ほんのちょっとだけ知りたいなら、役立つかも?

<旧約編>
 1 エバ人類史上最高の美女
 2 サラふたつの民族の母
 3 リベカ家族を崩壊させた偏愛
 4 タマル罪をも辞さず守った家系
 5 ラハブ運命を切り開いた売春婦
 6 ルツ義母にささげた愛と忠誠
 7 ミカル父と夫に利用されて
 8 イゼベル犬に喰われた悪女
<新約編>
 1 マリヤ世界史上もっとも愛された女
 2 ヘロデヤ洗礼者ヨハネを斬首させた妖婦
 3 マグダラのマリヤイエス復活の最初の証人
 4 サマリヤの女罪人を救った「命の水」
 5 ルデヤヨーロッパで最初のキリスト教信者

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posted by alice-room at 01:55| 埼玉 ☔| Comment(2) | TrackBack(0) | 【書評 宗教A】 | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
マグダラのマリヤものは小説でも多いですよね。早川だと、FT文庫でグレアム・ジョイスの「鎮魂歌(レクイエム)」というのもあります。
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4150203644/

個人的な感想としては、FTというよりサイコホラーっぽい感じも致しますが…。あちこちに「フ*ック!」という台詞があるのと、性の解釈や描写の部分が受け付けない人もいるかもですが。
Posted by 枇杷 at 2005年05月07日 16:03
枇杷さん、こんばんは。そうですよね、何しろ資料が少ない反面、いろいろなアナザーストーリーがありそうな魅力的な特徴を数多く持っていて好奇心をかきたてられるんでしょうね、きっと。

「鎮魂歌」英国幻想文学賞受賞してるんですね。タニス・リーとか大好きな私としては、結構いけそうです。読破リストに入れておきますね。情報有り難うございます。
Posted by alice-room at 2005年05月07日 19:54
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