2007年03月09日

「天国と地獄の事典」~メモ

先日読んだ「天国と地獄の事典」の中で、とっても気になった箇所があったので抜書きメモ。
【アグリッパ】Agrippa

 アグリッパとは古代の秘密や儀式、魔法の呪文が記された魔術師のための本である。書名は16世紀の哲学者ハインリヒ・コルネリウス・アグリッパ・フォン・ネッテスハイムの名にちなんでつけられたもので、この哲学者は地獄の権力者たちと手を結び、暗黒世界の研究を行っていたと言われている。人の肉体は、「魂を運ぶ乗り物」であり、霊魂はその殻から遊離して自由に他の世界へ移動することができるというのが彼の信条であった。伝説によると、アグリッパは魂が地獄とこの世の世界を行き来する際に用いられ、「各々の頁には地獄の劫火の熱を怒りがこめられている」という。

 アグリッパは膨大な巻数に及び、全巻を積み上げると5フィートを超えた。各々の頁は人間の皮膚でできているという。各巻には、ありとあらゆる悪魔の名前が列挙され、悪霊を呼びだすための呪文が記されている。黒魔術の儀式でアグリッパを用いると「硫黄臭い息」と「地獄の煙」のにおいが祈祷者の髪の毛や衣服にしみつく。書物そのものが生きている悪鬼とみなされており、悪霊の怒りにふれないよう取り扱いには、慎重を期さねばならない。使わない時は鎖で縛り、悪霊が逃げ出さないよう、空き部屋の梁にぶら下げておく。

 素人魔術師が愚かにもこの悪霊の教科書に中途半端に手を出すと恐ろしい報いを受けることになる。各々の本は所有者との間に密接且つ親密な関係が結ばれており、無断でこれを用いた者に手酷い仕打ちを与えるのである。言い伝えによれば、アグリッパは人を狂気に陥らせたり、美貌を損なわせたり、場合によっては死をもたらすという。若い魔法使いの弟子が師匠の技を会得しようと練習し、手足をもがれてしまったという話は、魔術師の弟子達の間で何世紀にもわたって語り継がれている。

 アグリッパの持ち主が死ぬと、その本は主を失ったことを察知する。膨大な巻数にのぼる本たちは、主の死によってその恐ろしい力を解放され、大暴れする。このような場合しばしば死んだ持ち主の家族や友人たちが不可解な病に冒されたり、不慮の事故にあって死ぬことがある(主の死を嘆き悲しんだアグリッパが持ち主の家を自力で倒壊させ、家の中にいる妻と子供達を生き埋めにしたという話もある。崩れ落ちた建物はあっという間に炎に包まれ、誰も脱出することはできなかった。煙がおさまると、焼け焦げた骨や建物の焼け跡の間から、傷一つないアグリッパが発見されたという。)

 アグリッパの怒りを鎮める唯一の方法は、悪魔祓いをすることである。―本を全巻焼き払い、その灰を神聖な土地にまくのだ。
アグリッパという名前だけは聞いたことがありますが、初めて詳しい話を知りました。へえ~、実に面白そうな話です。もっと詳しい文献ないかなあ~。悪魔学とかかな?ジャンル的には。

う~ん、プラハの図書館か、バチカンの禁書目録の中にでもありそうな本ですね(笑顔)。しかも本の素材がヴァラムでは無くて、人の皮膚とか言うし・・・表紙の装丁とかも気になるなあ~。1巻あたりの頁数が666頁とかね(オイオイ)。

さて、この項目の元ネタが気になるところですね?
ラベル:魔術書
posted by alice-room at 21:21| 埼玉 ☁| Comment(5) | TrackBack(0) | 【備忘録A】 | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
こんばんは。
確か澁澤さんの本でアグリッパが出てきたと思います。
「悪魔の中世」「毒薬の手帖」「黒魔術の手帖」の
どれかで取り上げられていたかと思いますが、、、
この文章の方がずっと詳しく書かれているかと思います。
お役に立てずすいません。
Posted by bonejive at 2007年03月09日 23:01
上の「黒魔術の手帖」にもちょっと触れていましたが、それほど詳しくなかったように思います。
Alice-roomさん気をつけてくださいね。
危ない世界ですよ。(笑)
ナインスゲートでも結局。。。。ね。
Posted by at 2007年03月10日 03:39
あっ、失礼しました。上のコメントは私が発進しました。
Posted by seedsbook at 2007年03月10日 03:40
アグリッパってハリー・ポッターにでてきましたよね・・・関係あるのでしょうか?
Posted by Stella at 2007年03月10日 20:57
bonejiveさん>そう言われてみると、なんか聞いたことがあったかも? うわあ~、本を読んでいながら全然記憶に残っていない私です。お恥ずかしいです(赤面)。今度、澁澤氏の本でも引っ張り出して、意識して読んでみます。

seedsbookさん>皆さん、記憶力がいいですね。もしかして私が忘れっぽいだけかも???

私の場合は、きっと大丈夫です。モロッコ革の本も持っていないですし、人間の皮膚で出来た本も持っていませんので。悪魔を呼び出そうにもラテン語もできないし・・・(苦笑)。ふと夢野久作の「悪魔祈祷書」を思い出してしまいました。先日、購入したbook of hoursまだ届かないんですけど・・・。これなんか、ノリ的には近いんですけどね(笑)。

Stellaさん>私は映画しか見ていないので、ちょっと記憶が怪しいのですが、そうかもしれません。ハリー・ポッターって魔術を初め、オカルト系のネタを相当取り込んでましたよねぇ~。時々、変わったネタが混ざっていたのを思い出しました。
Posted by alice-room at 2007年03月11日 00:45
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