
朱雀シリーズで有名な藤木稟氏の歴史小説です。舞台は鎌倉時代。たくさんの政敵を初め、自らの弟、源義経までも抹殺して獲得した武家政権ですが、その鎌倉幕府を揺るがす怨霊や魔性の者の魍魎跋扈。それと対決し、国家鎮護を図る陰陽師の鬼一法眼。
図式はオーソドックスですし、いわゆる巷で氾濫する陰陽師物と大して違いはないようです。決してつまらなくはないのですが、せいぜい平均水準をクリアした面白さでしょうか? シリーズ物はたいてい最初の巻で、ぐぐっと読者を引き込むように思いますが、本書にそこまでのパワーはありません。
いつもの藤木氏を期待すると、期待外れかもしれませんが、普通に読む分には悪くないかも。ちなみに第一巻である本書では、まだまだ序の口のようでこれからやって何か起こるのかなあ~? そういった段階です。さて、これから面白くなるのかな???
陰陽師鬼一法眼〈壱之巻〉(amazonリンク)
関連ブログ
「黄泉津比良坂、暗夜行路」藤木稟 徳間書店
「黄泉津比良坂、血祭りの館」藤木 稟 徳間書店
「ハーメルンに哭く笛」藤木 稟 徳間書店
「陀吉尼の紡ぐ糸」藤木 稟 徳間書店
「夢魔の棲まう処」藤木 稟 徳間書店
「大年神が彷徨う島 」藤木 稟 徳間書店
「陰陽師」荒俣 宏 集英社
「鬼」高橋 克彦 角川春樹事務所