まあ、いつもながらの雰囲気は崩れていません。
一貫して、きちんとした性格付けの上で各話のストーリーが作られています。
暇つぶしにはいいんだけれど・・・何にも残らない感がある。
さらっと読めて、ちょっとふむっとなるけれど、それ以上の深みに至らないのは、読み手の私が知識が浅いからかもしれません。
アメリカの無人戦闘機が911以降の軍縮の影響下、軍主導ではなくCIAの下で企画・実施され、それがこともあろうにイランの電子戦部隊にハッキングされ、イランの空港に着陸させられたとか、スパイ小説以上に楽しいの現実がBBCなどでしきりに報道されていますからねぇ~。
そんな昨今では、『事実は小説よりも奇也』が現実の世界ですから、小説の方も大変なんだと思います。
独特の読後感はあるものの、もうちょい、物足りなさが残る巻でした。
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