2005年05月16日

シャイニング(1980年) スタンリー・キューブリック監督

syaining.jpgこ・こわい…。これは怖い! しかも隔絶した環境において、逃げられない怖さをうま~く表現していると思う。後半にかけての追い回される部分は、どうしてもパターンになってしまっているが、それでも鮮血や気持ち悪さ、暴力を売りにしたものよりははるかにイイ。それなりに怖くなる雰囲気を盛り上げていく映像は、なかなか見応えがあるように感じた。

でもねぇ~、原因の説明があやふやなままではっきりと明示されないのは…嫌いだなあ。後味が悪いし。まあ、謎は謎のままで余韻を残そうという考えかもしれませんが。途中までのあの抑えた映像故の怖さが、納得のいく形にしてくれればなあ~。ラストも結局、不可解なままで中途半端に終わってる気がしてならないのですが…。こないだのアイズ・ワイド・シャットでもこれは感じましたが、徹底的に過程の一場面に固執する映画ですね。

ストーリーは、とあるホテルの冬季管理人を任された一家。冬季は雪深くお客が誰も来ない為、メンテナンス要員として大きなホテルに一家3人だけで暮らすことになります。いわくありげなインディアンの墓地をつぶして建設したホテルだけに、どことなく漂う不気味な気配。またこのホテルには過去に事件も…。どれほど立派なホテルでも、人がいないということはかえって怖いわけで、しかもそれが雪により周りと一切隔絶された空間であるとその怖さは倍増していきます。

この映像を見ながら、思わず私が思い出してイメージしてたのが自分が会社の研修で山中湖のリゾートマンションにいた時。何百室もあり、2棟建てのマンションですが、冬季は寒いので誰も来ない。研修で3LDKだったかな?たった一人で自炊しつつ、ただいるのですが・・・これが結構辛い。2棟のマンションは空中通路で結ばれているのですが、あちこち歩いても誰もいなし、管理人がいるだけ。しかも一度も会わなかったし…(いたのか?)。これは怖いよ~。外に出れば雪だし、車を使ってはいけないルールだったので足はマウンテンバイクのみ。一番近い食料品の調達できる店まで1.5キロ。道は雪で塞がれて歩くしかないジャン。暖房なんていくら入れても部屋は広いし、山中の雪は思いっきり冷える。いくつも暖房入れて最後にコタツに入って酒飲んで寝るしかなかったもの。これが7日間。地獄だったなあ~。勿論、TVやラジオ無しですよ。

あんなとこに1週間いただけで、神経参ったけど、冬季ずっと閉じ込められたらそりゃ狂気にもなるって。怖さを楽しむんだったら、そういう意味でこの映画はいいかも。但し、よくも悪くも怖いだけなんだよね。個人的にはそれほどお薦めではないなあ~。悪くはないけど、どうしても中途半端で気分が悪い。そこが問題ですね。

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posted by alice-room at 14:27| 埼玉 ☔| Comment(12) | TrackBack(2) | 【映画・DVD】 | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
キューブリックは,あるきっかけから変化して行く状況、心理を描く事が目的で、ストーリーを話す積もりないんじゃないでしょうかね?
これをS.キングは”キューブリックはホラー理解しておらん!”と言って怒ったみたいですけど、でも、シャイニングかなりかなり怖かったですね。後にキングが音頭をとって作った”シャイニング”もみましたが、案外これもよく本どうりに出来てたかな。。。とおもいました。でもキューブリックのシャイニングがやはり迫力なのは、役者のせいですか?ニコルソンの顔はしかり、奥方の、おののき方なんかもいいですよね。
キング自身が携わる映画は大抵B級で終わるんですけど、B級のかわいさがあります。
Posted by seedsbook at 2005年05月16日 15:23
コメント、TB、引用リンク御礼。

予告編だったか、エレベーターホールがただ血まみれになっていく不思議な映像を覚えています。シャイニングの予告編でしたっけ?

過去記事、すごい量ですね。ブログタイトルも素敵です。また来ます。今後ともよろしくお願いします。
Posted by ike at 2005年05月16日 18:04
seedsbookさん、こんにちは。たぶんおっしゃる通りなんだと思います。背景的な起承転結よりも人間心理の変化を映像という形で描写されることに監督さんは意識を払っているんだと思います。

あとはたぶん、個人的な趣味・嗜好の領域ですね。怖いという点では、文句無くかなり怖かったですから。でも、私的にはどうも最後があっけなさ過ぎて不満足が残ってしまったかもしれません。

そんなこといいつつ、ストーリーが完全に無いようなB級はB級で好きなんですけね、普段はそれ以下の低俗なのも結構見たりしますし(オイオイ)。
Posted by alice-room at 2005年05月16日 19:14
ikeさん、こんにちは。そうです、おっしゃる通りの予告編だと思います。怖いという点では、本当に怖かった作品でした。

質より量というか、あまりテーマもないままに書き散らしているブログですが、お褒め頂き有り難うございます。

こちらこそ、宜しくお願いします。コメント有り難うございました。
Posted by alice-room at 2005年05月16日 19:33
初めまして。カジックと申します。
以前「シャイニング」を観ていて、ふと思ったんですが、主人公が妻と息子をさんざん追い回したあげく、見事に逃げられてしまったというのは、裏を返せば「逃がしてやった」ということになるんじゃないでしょうかね。気が狂った男にできる、せめてもの罪滅ぼしというか、ぎりぎりの所での愛情表現というか。狂った父性愛がテーマだとすれば、そういう見方もありかなあ、と。
Posted by カジック at 2006年03月03日 01:29
カジックさん、こんばんは。いやあ~私は怖くて怖くて…。正直言って、ほとんど何も考える余裕がありませんでした。あの重い空気もちょっと…辛かったです。でも、いろんな見方ができるかもしれませんね。コメント有り難うございました。
Posted by alice-room at 2006年03月03日 22:48
こんばんは、カジックです。「シャイニング」、そんなに怖かったですか?僕はブラック・ユーモアの映画に思えたんですけど(映画の感想は「映画生活」の質問・議論の欄に書いておいたので、よろしければ読んでみて下さい)。
ストーリーが破綻しているように見えるのは、キューブリックが最初から頭のイカレた作家のつもりで映画を作っているからだと思うんですね。冒頭で撮影用のヘリの影が映り込んじゃっていたりするのも、わざとやっているんじゃないかと思っています。キューブリックって、一筋縄では行かない監督ですからねえ。
Posted by カジック at 2006年03月04日 22:43
カジックさんは、冷静にご覧になっていたんですね。私的には、キューブリックお得意の特殊な状況と雰囲気を生み出す作品かなあ~って勝手に思ってました。おっしゃる通り、なかなか一筋縄ではいかない監督さんですね。はい。
Posted by alice-room at 2006年03月05日 01:31
こんばんは。カジックです。
管理人さんは「2001年宇宙の旅」はご覧になっていないのですか?映画のコーナーに紹介が見当たらなかったのですが。
ご覧になっているのでしたら、管理人さんの鋭い分析を是非お伺いしたいところなんですけど。この映画に関しては、もう「何も考えずに映像を楽しめばいい」という時代でもないと思うんですけどね(30年くらい前は、そういう意見が大半だったんですが)。
Posted by カジック at 2006年03月10日 22:45
こんばんは、カジックさん。2001年はずいぶん前に見た覚えがあります。ただ、あの作品はどうも私には合わなかったような記憶があります。
私の感想は、自分でも自覚しているんですが、かなり偏ったものなんで実はいつも恐縮しながら、書いていたりします。良くも悪くも自分がその時に見た感想として、思ったものを書いているだけなので、時々的外れも多かったりしますし…。でも、どんな作品でもそれ見る人ごとに見方が違っていていいと思うのでいつも好き勝手なことを書いていたりします。その方が、もしかしたら誰かの参考になるかもしれない、と一人で思っていたりするんです。こんな奴ですが、これからも宜しくお願いします。
Posted by alice-room at 2006年03月10日 23:10
こんばんは、カジックです。
合いませんでしたか。ウーン、残念。
もっとも、僕もこの映画についてコメントし出すと、物凄い長文になっちゃいそうなんです。思い入れが強いもんで。でも、それじゃあどっちが管理人なんだかわからなくなってしまいますもんね(苦笑)。
わかりました。今後も頑張って下さい。
Posted by カジック at 2006年03月11日 20:26
カジックさん、改めましてこれからも宜しくお願いします。
Posted by alice-room at 2006年03月12日 09:21
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