2007年03月25日

「洞窟」ジェイムズ スターツ 早川書房

いやあ~、箸にも棒にもかからない本当にどうしょうもない小説です。最初から最後まで思わせぶりに引っ張ることはあっても、ストーリーの本筋に関係ないことばかりが、適当に且つ散発的に導入されるだけで、全然意味を成していない。

この小説全体が頭のおかしい人の妄想かと思ってしまいます。もしもそれを意図して書かれているなら、それはそれとして別な読み方もできるでしょうし、新たな意義付けができるでしょうが、そういうのでない為にますます小説としての価値を損なっているように思えてなりません。

たま~にこういうのにあうと泣きたくなりますね。よりにもよってSFやミステリで定評のあるあの早川書房で、こんな本の翻訳権を押さえたりすんなよ~と言いたくなります、実際。

粗筋。
はるか昔に修道士達が人との交わりを避け、ひたすら瞑想と聖書のみを求めて、岩をくりぬいて作られたイタリアの田舎の洞窟が舞台。洞窟内には、彼らが残したとおぼしき壁画(宗教画)が見つかり、それを調査するために成功を何よりも欲する研究者達がアメリカ等からやってくる。

一方、その土地には今もその洞窟で暮らす人々がいて、彼ら土地の者達は不思議なことに洞窟から採った岩のかけらを食事にふりかけて普通に食べていたりする。そして、その洞窟内で起きた原因の分からないティーンエイジャーの死亡事件。若い少年少女は、性行為の後で大量の土を食べて死んでいた。

やがて犬が殺される事件などもおきたりするが、元から外部の人間を拒む土地柄でもあり、地元の保守的な人々は次第次第に態度を硬化させていく。意味のない途中参加の人物があったり、無用にストーリーは紆余曲折するが、一応は解決する。但し、謎解きもどきが事態の説明や解決になっているかは、甚だ疑問に思える。

最後に至って、私には何がこの小説の意図であったのかが分からないうえに、ストーリーに無関係の人々に費やされた人物・背心理描写が無駄でしょうがなく思えてならない。

これってまともな小説ともよべないし、怖くもないのでホラーなんて呼ぶのも的外れだ。ましてSFでもないし、正規のジャンル分けには当てはまらない感じがする。というか、人様に見せる文章じゃあないでしょう。気持ち悪いしね。エロくもない。

私はこれだけはお薦めしません。私の個人的感想ですが、単純に時間の無駄で不快です。

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ラベル:小説 書評
posted by alice-room at 00:42| 埼玉 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | 【書評 海外小説A】 | 更新情報をチェックする
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