2007年03月25日

「クビシメロマンチスト」西尾維新 講談社

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うむむ~、やっぱり巻が進むにつれて面白さが増してきますね。ちっ、クビツリハイスクールから読んでしまったことをまたまた後悔しちゃいますが、今の段階で読み直すと絶対に最初の時よりも面白いのは確実でしょう♪

本書においても、改めてキャラの魅力が増していますし、読んでる間にも増していきます。舞台は普通にある大学生の日常。その普通過ぎる日々の裏側に潜んでいて、ふとこぼれ落ちるようにして垣間見られるような歪んだ精神描写がなんとも良かったりする。

一見すると異常なんだけど、読書の多くが必ずどっかしら共感してしまうんでしょうね。だからこそ、西尾維新の本はこれほどまでに『売れる』んでしょう♪ 

読めば分かる話ですが、いーちゃんは他人事に干渉しないし、読書も小説だと思って読むんですが、いい作品にはありがちなように読者は距離を置いて客観的にいるつもりのはずが、思いっきり自分に置き換えて考えたりする。そういった魔力か魅力か分からないもの持ってるんじゃないでしょうか、この本ってね!

今の時代の作品だと思いますねぇ~。昔だったら、異端として自らを烙印を押した世代は澁澤とかを読んでいましたが、それもあくまでも社会に対しての関係から規定されるでしょう。現代だと対社会的な役割を意識せず、ひたすら自分自分でと考えるのでこういう把握の仕方をするのかととっても興味深い。

しかもそれが20代以下で支持されるのだから・・・ネ。

とまあ、なにやら独り善がりな小難しい話は置いといて。これ面白いよ間違いなく。戯言シリーズ最初から読まなきゃだけどね!これ必須! ときメモみたいなもんだし・・・(←ファンに殺されそうな暴言三昧)。

濃密な人間関係大嫌いな人、部屋に閉じ篭っている人、手首に傷のある方、お薦めってオイ! 本文中の言葉で言うならばATフィールド張っている人とかかな? 


【ネタバレではないものの、以下の記述は未読の方にはお薦めしません!】
もし、貴方がミステリーとして本書を読むなら(私はそう思っていませんが・・・)、以下は読むのを控えて下さいね。本を読んでから見てもらえると嬉しいかも(笑顔)。









ふふ~ん、哀川さん・・・って呼ぶと怒られてしまうから(笑)、潤さんの役どころが二冊目読んでようやく分かりました。本当に&本物の探偵さんなんですね。勿論、人類最強の請負人だから、探偵も請け負えるのは納得です。しかも、最後の最後で全てを解決(つ~か、解説?)してくれる貴重な存在なんですもんねぇ~。

基本的にいーちゃん(主人公)が事件を体験して、第一次的な探偵役をしながらもあえて、探偵に徹し切らずに事件の重要な構成要因として機能するという構造もいいかもしれない。これ以上は、未読の方が読むかもしれないので詳しくは触れない。

ただ、いーちゃんって能力あるけど、いろんな意味で疲れちゃってるんだよね。でも、友(←名前)がいるから、いっか。向精神薬を飲みながらって場面が本書で出ないのは不思議だなあ~と思いつつ、本書の世界が既にアッパー系でなくてダウナー系かと思う今日この頃です。

しかし、いつもながら西尾維新は面白い!! これだけは間違いないかと。巫女子もいーちゃんもうちのガッコにはいなかったけどね。

クビシメロマンチスト―人間失格・零崎人識(amazonリンク)

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posted by alice-room at 20:24| Comment(4) | TrackBack(2) | 【書評 西尾維新】 | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
TBありがとうございました。
戯言シリーズ、順調に読破されているようですね!
巫女子ちゃんは、魅力的なキャラクターなので、本書を読まないで後の巻を読むと、楽しさが半減するシーンがあります。
表紙のイラストも内容と対応しており、とっても魅力的ですね。
最新シリーズの「刀語」は、いまひとつですが、西尾維新の才能は素晴らしいので、今後が楽しみな作家だと思います。
お返事が、遅くなり申し訳ありませんでした。
Posted by lapis at 2007年04月03日 21:24
lapisさん、こんばんは。こちらこそお忙しい中、コメント&TB頂きまして有り難うございました。
>戯言シリーズ、順調に読破されているようですね!
ハイ!先走って読んでしまいたい誘惑に抗しつつ、頑張って順番通りに読んでいきたいと思います。戯言シリーズ(西尾氏の他作品もほとんどみんなそうですね)のキャラはどれも魅力的ですもんね。本当に西尾氏には今後も期待したいですね♪実に楽しみです。
それに・・・今も手元にサイコロジカルが待っていたりします(笑)。
Posted by alice-room at 2007年04月03日 23:53
alice-roomさん、こんばんは
今回は、検定ネタですが、巫女子ちゃんつながりで、TBさせていただきますので、よろしくお願いいたします。
ところで、alice-roomさんは、『不気味で素朴な囲われた世界』を読まれたでしょうか?
以前、西尾維新は病院坂黒猫を二度と登場させないと言っていましたが、前言を撤回して、少しだけですが再登場しています。
なかなか面白かったです。

Posted by lapis at 2007年11月29日 23:21
TBどうも有り難うございます。

>alice-roomさんは、『不気味で素朴な囲われた世界』を読まれたでしょうか?

いえ、まだ読んでいないんです。すぐにでも読みたい気持ちはあるのですが・・・ちょっと刀話の方を先に読み始めてしまったのでそちらが終わってからの楽しみにとっておこうかと・・・。

そうですか、やっぱり面白かったんですね! うっ!誘惑に弱い私としては、途中で読んでしまいそうです。とっても楽しみなんですよ~、あれからどうなったのか、というかどうなるのか???
Posted by alice-room at 2007年11月30日 18:30
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