2007年03月26日

「レオナルド・ダ・ヴィンチ-天才の実像」展~東京国立博物館

レオナルド・ダ・ヴィンチ「受胎告知」

毎月2回程度は来ている東京国立博物館ですが、何かと話題の豊富はレオナルド・ダ・ヴィンチの絵ですのできっと混むのではないかと思い、覚悟をして観に行きました。

実際、朝10時で20分待ちだったので午後からはもっと&もっと混むぞ~と思っていたのですが・・・。(ダ・ヴィンチ関係の特別展を見終わった後のお昼頃にはかなりすいていました。並ばなくても見れたようです。あ~あ、こんなことなら、午後から観に行けば良かった)

そうは言っても普段は使われない特別な展示室での展示というのも興味があったし、確かに人はいるけど、押し合いへしあい見るというほどでもなかったので少し後ろからなら、ゆっくりと立ち止まってみることもできました。最前列では、さすがに動きながらでないと駄目でしたが、それでもよく見れた方だと思います。

ウフィツィでは4回ぐらい見たことがあるけど、さりげなく壁にかかっていたので見る人も実にさりげなく見る感じだったのを覚えています。絵の前にはいても4、5人だし、ちょっと止まって見ていると誰もいないので一人きりで見てる時間も多かったしね。

今回、こうやって特別待遇で鎮座まします、な~んて感じで見られて絵も喜んでいるのではないでしょうか。

ただ、岩窟の聖母やモナリザ、この受胎告知とかダ・ヴィンチの有名な作品はあちこちで本物みたことありますが、素人目からいうと非常に上手でバランスがとれていると思うんですが、決して情熱的ではない感じがするんですよねぇ~。優等生が冷ややかに数学の問題を解いている感じがいつもしてしまう・・・。

えっと確か告知に来ているのは天使のガブリエルだったかな? それに比して告知される側のマリアが実に堂々としているのと、マリアと天使の間のスペースがいささかあき過ぎていること、歴然としたマリアとの距離感(疎外とまではいわないが、少なくても親しみや親密感の距離ではないよなあ~)も優美さや神聖さは感じられても温かみを覚えないのは私だけかな?

どうしても受胎告知というとリッピやフラ・アンジェリコを思い出して比べてしまう。サン・マルコ美術館の階段を登っていく時に、ばあ~んっと目に飛び込んでくるアンジェリコの聖母の神々しさと暖かさとは、ダ・ヴィンチの聖母は違うんですよね。個人的な好みとしては、やっぱりあちらが好きだけど、この展示はかなり凝っているのは確かだし、全体として雰囲気も含めて素敵だと思います。

想像よりもずっとゆっくりと絵も見れたので、私的には二重丸です(笑顔)。これから混む可能性が高いですし、見に行こうと思うなら、是非今のうちにお薦めします。

そして、今回力入っているなあ~と思ったのがこの絵を展示する第1会場の他に、第2会場でダ・ヴィンチゆかりの各種資料の展示とその資料の内容を解説していること。私は科学博物館かと錯覚するぐらい、かなりの精力を尽くして作りこんでいると思いました。

今回の展示会の主題は、絵画のみに留まらず、レオナルド・ダ・ヴィンチその人全体像を採り上げているんだなあ~と感じます。実際にいろいろな実験を体験したりと面白そうだったんですが、いかんせん、人多過ぎ。ミーハーなくせに人混み嫌いの私としては、大変残念ですが、ほとんどスルーしてしまいました。連れはこういうのが大好きなので喜んでみたり、やったりしていましたけどね。

あとね、すみません私ってひねくれものだなあ~と思うんですが、ダ・ヴィンチの資料以上に密かに個人的に喜んだ展示物があります。それって、普段はなかなか見れないインキュナブラ(初期印刷本)。天文学の本とか地図、建築学、数学の本なんかが展示されています(ファクシミリ版もあるけど、本物もあり!)。

こないだ読んだ「謎の蔵書票」に出てきた書物の本物が見られるんですから、ダ・ヴィンチ好き以外の本好きの方も隠れてこっそり見に行く価値があります。みんなきっと意識しないで見ているはずだよ~。稀稿本マニアも是非、行きましょう♪ 

もっとも私はこちらの本を見るのにエネルギーを使い果たし、他の実験系のものは見るのは諦めたんだけどね。週末は馬場や神田じゃなくて上野でしょう♪(笑)

で、話は変わる。 
そうそう目立たなくて見ない人も多いようですが、特別陳列「桜」というのもやっています。東博が山ほど持っている浮世絵のうち、桜に関するものや陶器などが展示されています。せっかくの花見シーズンです。こちらも見ておくと楽しいかも?

sakura0324a.jpg

で、その後は春の庭園解放をやっていますから、本館と東洋館の間から、庭園散策がお薦め。私が行った先週土曜日では、上野公園が全然咲いていないのに、もう綺麗に咲いていました。職員の方かな、「大島桜が咲いていますよ!」って教えて頂きました。こちらもせっかくですので是非どうぞ!!

sakura0324b.jpg

sakura0324c.jpg

博物館でお花見というのもまた乙なもんです。

gojyuunotou0324.jpg

そして庭園には、由緒正しいお茶室や小さな五重塔があったりもします。

0324hana.jpg

足元には、小さな花が咲いていてもう春だなあ~と感じました。
春のお散歩がてら、足を伸ばすだけの甲斐がありますよ~。

おまけ:
ダ・ヴィンチ展の図録が実に内容豊富。これだけの内容があって、この値段ならお得でしょう。変なレオナルド・ダ・ヴィンチ解説本を買うなら、こちらの方がいいと思います。行かれた方は手に取って確認しておいた方がいいですよ~。

関連サイト
特別展「レオナルド・ダ・ヴィンチ -天才の実像」東京国立博物館
展覧会公式サイト

関連ブログ
心臓外科医にとって、ダ・ヴィンチの手がかり
ダ・ヴィンチ「最後の晩餐」に隠された人物像を発見か
ダ・ヴィンチの新しい絵
ダ・ヴィンチによるかもしれない新しいスケッチ発見
失われたダ・ヴィンチのフレスコ画を探す鍵
何かがある?謎の空洞と文字 ルネサンスの絵
ダ・ビンチ実はアラブ人だった?…指紋発見で仰天仮説
posted by alice-room at 20:19| 埼玉 ☀| Comment(4) | TrackBack(3) | 【芸術】 | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
こんばんは。
コメント&TBありがとうございました。

混雑もなくゆっくりとたっぷりと
ご堪能できたようですね。
4月1日に新日曜美術館、更にお花見
そしてGWと今行っておいて正解です。

ウフィツィで観るよりもはるかに
よく見えました。またこの絵は
印刷ではどうしても色がでないので
こうして実物を拝見でき大感謝です。
Posted by Tak at 2007年03月27日 00:04
Takさん、こんばんは。おかげさまでゆっくりと見れて本当に良かったです。これからきっと混んでいくんでしょうね。早く行って正解ですね、きっと♪

>ウフィツィで観るよりもはるかに
よく見えました。

同感です。実にいい感じの展示だったと思います。できるだけ、すいている時に見れたら、最高ですね♪
Posted by alice-room at 2007年03月27日 19:08
alice-roomさん、こんばんは
ようやく、僕もこの展覧会に行きことが出来ました。
「受胎告知」は予想以上に良かったです。
平日に行ったので、すいていたのですが、僕の感覚からすると混んでいました。
その後に行った西洋美術館は、人がいなくてものすごく快適でした。(笑)
TBさせていただきますので、よろしくお願いいたします。
Posted by lapis at 2007年05月13日 22:18
お疲れ様でした~! でも、満足された内容だったようでなによりです。西洋美術館、土日でも常設展だとすいています。もっとも先週の土日は、無料のイベントデーだったので珍しく混んでいましたけど。土曜日に版画とモローとロセッティを見に私も行ってました。
Posted by alice-room at 2007年05月14日 00:16
コメントを書く
コチラをクリックしてください

この記事へのトラックバック

特別展「レオナルド・ダ・ヴィンチ―天才の実像」
Excerpt: 東京国立博物館で明日から開催される 特別展「レオナルド・ダ・ヴィンチ―天才の実像」《受胎告知》本邦初公開の 内覧会に行って来ました。(マイミクのSさん感謝感謝) 明日から公開の「受胎..
Weblog: 弐代目・青い日記帳 
Tracked: 2007-03-27 00:04

東京国立博物館 特別展「レオナルド・ダ・ヴィンチ――天才の実像」
Excerpt: 東京国立博物館で開催されている 特別展「レオナルド・ダ・ヴィンチ――天才の実像」に行ってきました。 東京国立博物館に着いたのは10:30a.m.頃ですが、 目玉展示の『受胎告知』の観覧まで既に30分..
Weblog: Log Book
Tracked: 2007-04-30 18:02

「レオナルド・ダ・ヴィンチ ――天才の実像」展
Excerpt: 天使ガブリエルは、ナザレというガリラヤの町に神から遣わされた。ダビデ家のヨセフという人のいいなずけであるおとめのところに遣わされたのである。そのおとめの名はマリアといった。 天使は、彼女のところに来て..
Weblog: カイエ
Tracked: 2007-05-13 22:13