「バチカン奇跡調査官 黒の学院」藤木 稟 角川書店

緻密な論理の積み重ねと、独特な重厚で陰湿な雰囲気の漂う作風が特徴な藤木さんの作品です。

以前からも知っていて読んだことがあった気でいましたが、実は読んでなかったことに気づき、読んでみました。(ちょくちょく、かつて読んだことを忘れてしまい、同じ本を何度か購入してしまう私ですが、たぶん今回は初読だろうと・・・)

舞台はアメリカの田舎にあるカソリック系の寄宿学校。
(個人的にはヨーロッパの方がそそるものがあるのですが、そこはちょっと残念。まあ、最終的な部分にも絡むので致し方なしかと)

聖痕やら、処女懐胎等、奇跡の数々が起こるその場所へ、バチカンより奇跡の真偽を調査する調査官が派遣される。

そこで次々と生じる奇跡と殺人事件。

【以下、ネタバレ有り。未読者注意!!】







最終的な解決後の話としては、実は結構、使い古されたネタだったりする。
バチカンとナチス(ヒットラー含む)との危うい関係は、戦争中からも指摘されており、戦後でも何度も実際に話題に上がり、それこそ無数の小説でも出てくるしね。

私が知っているだけでも小説、漫画も含めて既に本書で4回目ぐらいにもなる。

その辺は今更感があるにしても、小説として上手に料理されていて、素直に読んでいて面白いです。
衝撃といえば、映画の「スティグマータ」の方がはるかに大きかったですが、小説の小道具として出てくる、地下室や古書等がたまらなくゾクゾクします♪

しっかりP2も出てくるし、バチカン銀行も大活躍。

ドラッグについて言えば、満州国の建国当初の国家予算の大部分を阿片の組織的販売でまかなっていたのは、今では有名ですし・・・。日本の731部隊ではないが、満州国の首都大連のあれだけ広大な土地を占めていた軍付属の医大の件もありますし・・・・。

ドイツも同様に、相当なことをやっていたのは有名ですもんね。
ドイツの高度な科学力の一方で、ナチスのオカルト好きも周知の通り、聖槍の話も聖遺物がヒトラーに語りかけてきた云々という話は読んだことがありますよね。

バルジファルまで出てくるわ、もう、おもいっきりそそりまくりの魅力的な材料をふんだんに撒き散らしつつ、それが論理破綻しないできちんと収束して結論にまでもっていく著者の力量は、相変わらず、さすがですねぇ~。

これはこれで十分に面白かったのですが、出来れば、怪しい古書達がもっと&もっと活躍してくれるといいなあ~。そんなことを考えてたら、ロンドンの古書店から、カタログが送られてきたのだけれど・・・。

うっ、本欲しい!本買いたい!
問題は読む時間だね。

マネロンの経験もできないようなつまらない職場は辞めて、朝から晩まで古書を眺めつつ、一切の生産的な活動とは無縁に、単に自己満足の為だけの読書やメモ作成とかして日々、過ごしたいなあ~。

フランス語とラテン語の勉強がしたい!!
まずは溜まってる英語の本でも読もうっと。

ベルギー旅行は中止になったので、個人的な奇跡の回復を願いつつ、本を読んで過ごすことにしましょう・
悪魔の書に頼ってもいいかもしれない。

そういやあ~本書内に「悪魔の書」ってあったけれど、いわゆるうちのブログでも扱ってた Devil's bible とは別物みたいですね。ちょっと残念でした。

むしろグノーシス系の福音書みたいでしたね。

そういう意味では、本書と併読してた「一四一七年、その一冊がすべてを変えた」の方が、まさに世界を変革する、という点では大きい影響力があったかも? しかも事実だし・・・・。

さて、そちらももう少しだし、今晩、読破することにしましょう。

バチカン奇跡調査官 黒の学院 (角川ホラー文庫)(amazonリンク)

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