

西尾氏の戯言シリーズです。だいぶ進んできたかなあ~ってネ。今回は上下2冊に分かれていますが、いつも通り夢中になって読んでしまうので、あっという間に読めてしまうのが惜しいくらいです。
今回は、玖渚の過去の人脈といーちゃんの過去の人脈が出てきてなんとも気になるそれぞれの過去の一端が明かされます。でも、相変わらずよくわかんないんだけど、気になる~状態は続く。
しっかし、このシリーズ全般に言えることかもしれないが、戯言シリーズにおける事件って、常態で示される人物像がある契機(=事件)によってこんな面もあるよ、あんな面もあるよ、そんな面があったの・・・っていうカンジで人間の姿が暴かれていくのが、なんとも良かったりする。しかもどっか壊れていて、けど、憎めなくなって、でも駄目だったりする。どうしょーもなく、人間っぽいところが共感を覚えてしまったりする。
エヴァ以降、日本の物語の主役って内省的・内向的性格者ばっかりだなあ~。
しかも段々えぐくなっていく一方で、部分的精神崩壊者のような色彩が散見されちゃうような気がしてならないんだけど・・・。逆にそれこそ虚構が大手をふるってしまう現在には、むしろ皮膚感覚的なリアルなのかもしれない。
ただ、出てくる人物がどれもこれも本当に純真なのが、たまらなく不思議。純真だから、自分の欲求のみに忠実で、みんながみんな自分の事しか考えなくて、その利己主義感が鋭ければ鋭いほど、現実っぽくなるんだもん。素敵! これだけの登場人物がいて、誰も他人を思いやることがないんだから、素晴らし過ぎて驚愕しちゃうしかない(勿論、それでいてどっか優しさにあふれているのも不思議な魅力)。
いーちゃんが玖渚を思う気持ちと、玖渚がいーちゃんを思う気持ちが等価か否かは不明ですが、相手を大切だと思う気持ちが相手の為になるかというのと、完全に別次元で自己の衝動として表現されるのが、限りなく純真で不純。だって、結果的には相手の為にならなくてもそれをやってしまうんだもんね。
う~ん、すっかり私まで影響を受けて戯言調(苦笑)。でも、小唄ちゃんもどうにも喰えない存在だよねぇ~。敵か味方か、はたまた何者なのやら?ってね。でも、基本、小唄ちゃんはスキかな?
しかし、本書の登場人物はどいつもこいつも喰えない奴らばかりだ(笑)。それでいて、これだけ心惹かれるのだから、実に楽しい本です。久しぶりに玖渚の出番が多いのも良いかな?上巻ではそこそこ、下巻は物足りないけどね。
サイコロジカル〈上〉兎吊木垓輔の戯言殺し(amazonリンク)
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>気になる~状態は続く
確かに、その通りです。そして、、、、、。(笑)
それにしても、これだけ独自の設定なのに、巻が進うちにその世界観に馴染んでしまい、いつの間にかどっぷりと作品世界に漬かってしまいます。
西尾維新の技量は、本当に素晴らしいですね。
玖渚は、やはりこのシリーズのヒロインなのだと言うことを再認識させられた巻ですね。
>玖渚は、やはりこのシリーズのヒロインなのだと言うことを再認識させられた巻ですね。
ハイ!もうメインで出ないのかと思ったら、とんでもない誤解でした。これからも期待大ですね。と同時に、今後のいーちゃんとの関係も・・・?
いろんな意味で楽しみです。TB&コメントお忙しいところ、本当に有り難うございました。