2007年04月22日

「聖書の名画を楽しく読む」井出洋一郎 中経出版

本当に全然基礎知識がない人が、西洋画を見たときにこれって何について書かれているのかなあ~?と思う疑問に答える初心者用鑑賞案内ってとこでしょうか。

実際の記述はQ&A式になっていて、若い女性と著者の対話形式をとっています。個人的には、分かったような分からないようなストレスの溜まる解説にも思えますが、本書がターゲットとしている層向きには、妥当なのかもしれません。

本文の文字が非常に大きく感じるのも、私は嫌いなのですが、これって読み易さへの配慮だと思います。その分、詳細な説明は削られていますが、著者自身が従来の分かる人しか分かるような、一般向きでない説明へアンチテーゼとして本書を書かれていますので是とすべきでしょう。

基本的には、西洋画に対して全く予備知識がない初心者を十分に意識しているという点は素直に評価すべきかもしれません。ただ、その延長線上で疑問というか不満に思ったのは、主題の説明などに使われる図版ですが、あまりにも小さい。数も少ない。初心者への説明を第一義的に考えるのならば、もっと分かり易い図版が絶対に必要に思えてなりません。大きな文字ばかりの解説で、初心者が分かるのかなあ~て思います。

まあ、私自身が初心者に毛が生えた程度ですが、もっと大きな図版で説明してもらえないとよく分からなかったです。他の人はどうなのだろう? 対話形式も親しみ易いのですが、ずばり言うとウザイ。子供じゃないんだから、大人が読むなら、簡潔で要を得た説明をつければ十分に思うのですが・・・。これも個人の好みの問題かもしれません。私はお薦めしませんけどね。

聖書の名画を楽しく読む カラー版(amazonリンク)
ラベル:アート 書評
posted by alice-room at 23:56| 埼玉 ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | 【書評 美術】 | 更新情報をチェックする
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