2005年05月29日

「黄金伝説1」ヤコブス・デ・ウォラギネ著 前田敬作訳 人文書院

英語の golden legend を読んでから、のんびりと日本語訳も読んでみるつもりでしたが、せっかく購入してあるのに、読まないのももったいないのでしばらくブログも書かずに読書してました。

ふう~、面白いけど、なかなか約550頁ボリュームはなかなかのもんでした。これでつまらなかったら、即挫折ですね(読了できて、良かった&良かった)。知らない聖人も多いのですが、名前だけ知っていても伝説の内容まではほとんど知らないので、すっごく勉強になりますね。なんか、ちょっと物知りになった気分♪♪

聖ニコラウスや聖ステパノ、聖女アグネス、聖グレゴリウス等々。全4巻のうちのたった一巻なのに出てくる聖人の数は半端じゃない。あとね、この本の良い点は注釈が非常に詳しいこと。本文では出てこない情報や知識がなかなか読み飛ばせない魅力があります。もっとも、通読で読むときには、そこまで丁寧に読んでいないので、勿論、読み飛ばしてますが、必要に応じて再読する際には絶対に有益だと思います。

そうそう、聖人ではないけど、ユダについても面白い記述がありますよ~。ユダは常日頃から経理を担当しながら、扱うお金の一割をピンハネしていたそうです。そして、ある時、ある女(マグダラのマリアという説がある)が主に高価な香油を聖別するのに使ってしまう。ちょうどその香油の値段が銀貨300枚相当で、ユダにとっては勝手に自分のお金(その10分の1、つまり銀貨30枚)を浪費されてしまったわけで、当然怒った結果として、イエスをその代償として銀貨30枚で売ってしまうんだって・・・。

無知な私は、思わずえっ~って思ったんですが・・・? 初めて聞いた話だったんで・・・。まあ、あくまでも噂の一つでしかないのかもしれませんが、非常に興味深い内容が多く、残りも欲しいなあと痛切に思ったりする。英語版は持ってるんだけどね、結構辛いんだよね、マグダラのマリアを訳してて実感したけど。

まあ、英語の場合、意味は分かるけど、それを知識や資料として使いこなすの大変だもの・・・。徐々に読んでいくけどね。

あっ、話は変わりますが、十字架にかけられているイエス様のとどめを刺した兵士ロンギヌスですが、キリスト教的には絶対に悪魔の化身とか言われてると勝手に今まで思い込んでました。だってねぇ~。それがな・なんと!聖人なんですよ。これにはちょっと衝撃を受けました。奇跡を目の当りにして回心したんでしょうけど、なかなか凄い転身ですね。尊敬~。

あと、聖セバスティアヌス。これって、アレかあ~と私の頭にまず浮かんだのは、三島由紀夫氏がこの聖人に憧れていて、確か雑誌「血と薔薇」の中でも、この聖人の格好をしていた写真があったはず。しかし、好きだなあ~三島氏も(クスクス)。今、復刊されて安く手に入りますけどね「血と薔薇」。昔は高かったけど・・・高いときのを持っているけどね、フン、気にしません私(血の涙がダラダラ・・・)。

それと、イエス様の割礼の話も。あまりに内容が盛り沢山でここには書けませんが、ずいぶんと楽しめました。それ系が好きな人には、必須資料ですね! 絶版が痛いが!! 

さてさて、次の本でも読むかな。今日も止せばいいのに、古書市や古書店をはしごして、だいぶ値の張るものばかり購入。お金はどうすればいいのでしょう? 本を買って読めば読むほど、もっと関連資料が必要になり、本が増えていく。この矛盾とは???

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これは絶版
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な・なんと復刻しやがった・・・(号泣)
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関連ブログ
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マグダラのマリア 黄金伝説より直訳
「黄金伝説抄」ヤコブス・ア・ウォラギネ 新泉社
The Golden Legend: Readings on the Saints 「黄金伝説」 獲得までの経緯
黄金伝説 Golden Legend コロンビア百科事典による
黄金伝説 ~聖人伝~ ヤコブス・デ・ウォラギネ著
posted by alice-room at 21:28| 埼玉 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | 【書評 宗教A】 | 更新情報をチェックする
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