2007年04月25日

Hours of Catherine of Cleves 獲得までの経緯

エリザベートとマリア、ヨハネとイエス

神田の古書店で偶然見つけて「おおっ!これだ!これっきゃない!」と思いました。それぐらい彩色写本好きには、堪らない一品です。値段は18,000円。革装丁(ベラム?)で手に持った時の感触がなんとも心地良く、160頁もの彩色図版が入っていて右が図版で左が図版の内容説明という見開き対面構成。たぶん初版の1966年の発行で40年以上経過しているのにもかかわらず、全然古くなっていない。紙もいいものを使っているし、印刷も極美ってな感じ。

Hours of Catherine of Cleves

その本を最初に見つけてくれた連れは、見るのは初めてだけど、以前にもメールでこの本のタイトルを送ってくれていて、大変有名な本であることを教えてくれました(英語圏のキリスト教徒でインテリなら、結構知っている本らしい)。う~ん、メールで教えてもらった時はあまり意識していなかったので全然記憶に無い。まあ、私って非キリスト教徒だし、日本語圏の人だから・・・という言い逃れを別にして、こんな素敵な本に無知であったことは恥ずかしい限り。しかも教えてもらっていたのにね(赤面)。


東方の三博士

ただ、値が張っているのも事実。ご存知のように神田は、確かにいい本多いけど、通常の相場より高いからね。本自体の書誌的な情報や価格の相場を知ってから、買おうと思い、その日は買わないで我慢。どうせすぐには売れないだろうとタカをくくっていたのが甘かった!これが後の後悔に繋がるのだけれど・・・、神ならぬ私には分かりませんでした。

Hours of Catherine of Cleves

その後、自宅でいろいろ調べてみると、NYのモーガン・ライブラリーがオークションで購入し、そこから「Hours of Catherine of Cleves」という本が出版されたことが分かりました。あ~あ、ミュージカルは良かったけど、想像よりも期待外れだったメトロポリタンのせいでもう二度とNYに行く気は無かったけど、また行く必要が生まれました。是非、本物の写本を見てみたいですね! 事前に知っていたら、無理してでも都合をつけてモーガン・ライブラリー行ってたと思いましたが、初めてNY行った時には中世の写本とかって興味無かったもんなあ~。しかたないです。

それは置いといて。この「Hours of Catherine of Cleves」って何度か増刷されています。初版は1966年で次は1975年、2002年にも出てます。種類もハードカバーとペーパーバッグの他に革装丁のものがあったりします。ただ、この革装丁っていうのもちょっと複雑なんですけど・・・これは後で触れます。

2002年発行のものについては、新刊で買えます。国内なら、丸善や紀伊国屋書店で売っていたことを確認。確か5千円前後。古書だと異様に高くて8千円近かったけど、これは確か1975年の発行。みんなハードカバーの値段です。

で、私の欲しかった革装丁のものなんですけど、さきほどの古書店に2週間後にもう一度見に行ったら無かった!! 見て考えて、場合によってはその場で買ってしまうかと思ったんですけど・・・。「な、・・・ない!?」店の人に聞いても在庫無いって言われてショック!他にもあれこれ手を尽くしてみたのですが国内で探した限りでは、革装丁のものは見つかりませんでした。あ~あ。

Hours of Catherine of Cleves

で、ベタな話、日本のamazonで見るとハードカバーの新刊が2200円だった。え~って絶句!!しかも発行が1966年。40年前のものが新刊であると思います?売れ残り?どちらにしても有り得ない話だ。これ絶対に入力ミスだと思う。まだ2002年発行なら分かるけどね。お届けは4~6週間後とあったが、即座に注文した。案の定、3月に注文して4月になっても届かず、amazonよりメールが来る。「商品が用意できないから、あと一ヶ月待て。待てないなら、金の請求してないからキャンセルしろ」って奴。以前、別な洋書を頼んだ時もこういうの来てたなあ~。amazonは便利だけど、機械的に処理せざるを得ないせいか、この手のはかなりいい加減だったりする。でも、本当に用意できるのか興味があるので、今回はあえてキャンセルせず、待っている。そしてもうすぐその一ヶ月の期限が来るのだが、amazonがどう対応するのかが見物だろう。

その一方で、たぶんamazonから詫びのメールが来るだろうとの予測のもと、国内に無ければ海外ということで、海外の古書店などをあちこち探しまくってみました。英国、米国、カナダ等々。すると、結構あったりする。ただ、どれもこれもハードカバーならあるんだけど、革装丁ないんだよねぇ~ふぅ~(タメ息)。英語のサイトばかり見ていて、いささか参ってきた時にようやくそれらしいものを見つけ、本の状態も良さそうなので購入することにしました。(最悪amzonとダブっても知り合いにプレゼントしてもいいし、自分で2冊持っててもイイ)

貝やカニが枠を囲っている

しかし!・・・海外発送の送料ってやっぱりかなりするよね。昔に比べれば、それでも安いんだろうけどさ。ただ、届くまで時間がかかるかと思ったら、思ったよりも早かった。約1週間ちょっと。2週間もかからずに届きました。値段は送料込みで4千円ちょっと。や、安い~。感激して涙が出るくらい!

届いた本を見ると、本の状態もメチャクチャにいい。経年劣化さえもほとんど見られないくらい。いい紙使ってるよ、やっぱ。中を良く見ると、写真のオフセットはオランダらしい。初版はロンドンとあるが、私の持っているのもロンドンでいいのかな? う~ん、いろいろとゴチャゴちゃしてて分かりにくい。まあ、いいけどね。

ただ、装丁に問題あり? 私が他のところで見たハードカバー(1975年)の装丁は、本当に単なる厚紙みたいな感じで私の手元のものとは確かに違うのですが、18,000円の革装丁とも違う。私の本の装丁は、内側が厚紙で外側が革っぽい感じなのですが、売れてしまった本は内側が柔らかいんですよ。で、外側のものの手触りがずっと良かったりする。まあ、私のも悪くは無いけど、負けてる~!

この点の疑問を元に海外の古書店サイトで調べてもはっきりしませんでした。1966年ものの状態として leatherette や leather、vellum 等々いろんな表現がされており、いっこうに要領を得ません。ISBNコード以前の話なので、なかなかユニークに特定できず、より一層状況は複雑だったりします。まあ、版数はsecond editionやthird edition と書かれているので分かりますが、それ以外は難しいようです。なんとも残念。

ワイン絞り器に挟まれたイエス様が血を流して、それが絞り口にあるカリス(聖杯)に集まっている図

ただ、今はようやく入手した宝物って感じで大切に&大切にカバーをして読んでいます。手触りも悪くないんだけど、汚れるのが嫌だから、カバーしてるんだけどね。でも、この本って本当に所有するだけで、読まなくても眺めるだけで嬉しくなる本です。単なる印刷本でこの気持ちですから、世界に唯一の一品物の手彩色写本だったら、殺人事件にでもなるだろうなあ~。しかも、その本に書かれた内容に世界の秩序を根底から崩す価値があるならば。「薔薇の名前」を思い出してしました。この原本にも秘密があったりして・・・(笑顔)。

本書のレビューは改めて写真入りで書きますが、内容がとにかく素晴らしいので写本好きならば、どんなに無理してでも絶対に買いましょう♪

The Hours of Catherine of Cleves(amazonリンク)
Hours of Catherine of Cleves(amazonリンク)
なんかね、微妙に登録が違うんだよね。発行年や出版者も違うし、混乱が見られるような・・・?

関連サイト
The Morgan Library & Museum

関連ブログ
「The Hours of Catherine of Cleves」John Plummer George Braziller
本の内容についてはこちら。


ラベル:古書 時祷書
posted by alice-room at 13:27| 埼玉 ☔| Comment(3) | TrackBack(0) | 【備忘録A】 | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
なんて偶然!
ちょうど今読んでいる石井美樹子「聖母のルネサンス」という本に出てきたところです。

15世紀オランダのゲルダー公爵夫人カトリーヌ・ド・クレーヴのためにユトレヒトで制作された時祷書・・・なのだそうですね。

美しい本ですね。
Posted by 大阪のマリア at 2007年04月29日 23:14
これは美しい。
そうですか、海外の古書店ね。
うちからそう遠くないところに、オカルト関係を中心としているであろうと思われる、素敵に怪しい本屋さんがあります。
「読む」ってことを考えると中に入るのが躊躇されるのですが、こういう書籍を探そうと思ったら行く価値あるかもしれませんね。
ちょっとショーウィンドーのぞいてる時間が長いと
オーナーと思われるおっちゃんが老眼鏡の上から
ジロっとみるもんで、中で本をみてまわるのは外人にはかなり勇気がいるんですよ~(笑)
Posted by OZ at 2007年04月30日 06:49
大阪のマリアさん>おおっ!偶然ですね!本のタイトルだけは聞いたことあるのですが、読んだことはなかったのでちょっと見てみたくなりました。
これ本当に綺麗ですし、眺めていると見飽きない本です(笑顔)。

OZさん>うわあ~、そういう本屋さんがあったら、私通いつめてしまいそうです(ニヤリ)。怪しげなところって大好きなもんで♪

>オーナーと思われるおっちゃんが老眼鏡の上から
ジロっとみるもんで、中で本をみてまわるのは外人にはかなり勇気がいるんですよ~(笑)

なんか、雰囲気を想像するだけそそりますね!確かに冷ややかな目で「貴方わかんないでしょう?」的に一瞥とかされたら、首すくめてしまいそう。気持ち分かりますぅ~。
でも、最近ずうずうしくなってきた今の私なら、片言の言葉で更に怪しげな書名の本の有無を尋ねたりするかも・・・。もう、いささかすれてしまいましたもの(苦笑)。
Posted by alice-room at 2007年04月30日 13:57
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