2007年04月29日

「秦の始皇帝」吉川忠夫 講談社

講談社学術文庫の一冊。基本的にひどい外れはないとの想像通り、悪くは無い。きちんとした資料的な裏付けのもとで、不明な点は、明確にそれを指摘しつつ、より蓋然性の高い仮説を基にして、まさに世界史史上の偉人である始皇帝を生き生きとした実在の人物として描きだしている。

読んでいてそれなりに面白く、史家としての著者の真面目な研究姿勢がにじみ出るような本であるが、う~ん、実はこの手の本は何冊か読んでいて、改めて新鮮な感動を覚えなかったりする。決して本書が良くないわけではないのですが、私にはちょっと何かが物足りないカンジがしてなりません。

ほらっ、私ってどちらかというと「聊斎志異」とか、そういう怪異を好む性情なんで、あまりに史実、史実してるとイマイチねぇ~。中途半端に歴史の本読んで知ってるだけに、知的好奇心がそそられなかったりする。残念! 別なテーマで著者の本だったら、もっと楽しく読めたかもしれない。
【目次】
第1章 奇貨居くべし―始皇帝は呂不韋の子か
第2章 逐客令―秦国の発展
第3章 統一への道―六国併合
第4章 天下統一―皇帝の誕生
第5章 咸陽―阿房宮と驪山陵
第6章 天下巡遊―刻石と『雲夢秦簡』
第7章 方士と儒生―封禅と焚書坑儒
第8章 祖竜死す―秦帝国の崩壊
終章 秦時の〓轢鑽―後世の始皇帝評価
秦の始皇帝(amazonリンク)
ラベル:歴史 書評 始皇帝
posted by alice-room at 20:37| 埼玉 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | 【書評 歴史A】 | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
コチラをクリックしてください

この記事へのトラックバック