
勿論、真面目に完全理解を目指しつつ読むのだったら、何度も読み返さなかればいけない本ですが、部外者の気安さでさあ~と目を通して、分かる範囲で理解しました。理解できたのは全体の3、4割ってとこでしょうか。当然、正統派的なカトリック神学の立場で書かれていますが、神学者内でも論争がある点については、その旨も取り上げたうえでご自分の採られる主張を書かれています。どうしても非信者としては、議論の内容が細かすぎるきらいはありますが、おおまかなところなら理解できますので関心のある方は読まれてもいいかもしれません。
まず、典礼について。典礼を「遊び」として解釈する話が述べられています。その理由として、(1)固有の世界をつくる固有の法則をもち、人がその中に加わるときには法則に縛られますが、「遊び」が終われば再び自由になる(2)功利的な目標をもたない、が挙げられています。但し、ラッツィンガー氏によるとそれだけは不十分で、「遊び」が有する人生の先取り、実生活への予行演習として、典礼は具体的希望の形相、来るべき真の生命を今すでに予め生き、本当の生命に向けて私達を予行演習するものとしています。
これなんか、非常に分かり易い説明ですが、上記のような感じで典礼に関する様々な事柄の捉え方を説明してくれます。典礼において、古くは東方(太陽の出る方向)に向かって司祭が会衆と共に行っていたものが、現在は司祭と会衆が向き合う形で行われていることとかにも、神学的解釈として説明をされています。諸説あるようですが・・・。
典礼における聖画像の問題、音楽と典礼、ひざまづく、ひれ伏す、立つこと、座ること等々。なるほど、そういう点が問題になり、またいかにして教会をそれに対処してきたのか、いくのか、といった点なども分かります(理解度は、度外視して)。
神から既定のものとして与えられるが故に変更できないもの(すべきでないもの)と、時代を含める社会的なものとの関わりを含めて変更するもの(=成長という意味で肯定されています)。それら難しい問題を取り扱っていて、その一端を窺うことができます。勿論、宗教内部の問題でそれこそ集団内部の内的自治の話だから余計なお世話なんでしょうが、神道の国日本に生まれ育った私からみると、いささか便宜主義的なものも感じてしまうなあ~。極力、表面的には感性や感覚によるものを排除しつつも、究極的には秘儀的なもので自ずからわかると言われても…???
やはり、アミニズム(原始宗教)の方が私の感性的には受け入れられる。美しい自然の風景や、野外で宿泊したときに感じる自然崇拝の方がよほど、内的な湧き上がるような崇拝心を実感できるのだが・・・。だから、神社仏閣巡りしても、お参りしなくなっちゃうのかなあ~私。どうも人が作りし物って、単なるモノじゃない?って感じてしまう。神が金銭や捧げ物を欲しがるわけないし、そんな俗物を欲しがるのは、堕落しきった聖職者のみと思ってしまう。伊勢神宮などの本来は建物ではなく、その山や空間を祀ることに意義があるというのが共感できるなあ~。建物って、えてして権力の示威的象徴に他ならず、またそれに過ぎないしね。お役所の建物見れば、すぐ分かるけど、都庁とかね。
とまあ、こんなことを考えつつ、熊野神社行きたい! あと、四国の巡礼に行きたい! でも、その前に今チュニジア旅行の見積もりをしているがエアーが高い。11万~16万。帰りにイスタンブールに寄ってくるのが魅力なトルコ航空だけど、これって乗換えが相当悪いはず。エアーフランスかアリタリアはコネクションがいいんだけど、料金がべらぼうに高い。帰りにルーブル観光かバチカン観光も悪くないけどね。ツアー参加するとホテル代込みで18~28万円ぐらい。チュニジア国内もカルタゴだけならチュニスでいいけど、世界遺産が7個か8個あるので最低3個ぐらい見るとなるとスース辺りまで電車で行って、チュニスin スースoutで考えると・・・?さてさてどうしたものやら? 海外ホテルの予約サイトみるとチュニスはなんとか抑えられるものの、スースで予約できるネットサイトは見つからないなあ~。現地で探すと時間が惜しいし。
ヨーロッパならエアー5~7万だし安いんだどなあ~。う~む、あまり時間をとっているとまた、料金が高くなるから行くなら今月中だね。税務申告も終わったし、国外脱出したいなあ。
【目次】典礼の精神(amazonリンク)
第1部 典礼の本質について
第1章 典礼と生活
第2章 典礼・宇宙・歴史
第3章 旧約から新約へ
第2部 典礼における時間と空間
第1章 典礼が持つ空間と時間との関係についての予備的考察
第2章 聖なる場所
第3章 典礼における祭壇と祈りの方向性
第4章 聖体の保存
第5章 聖なる時
第3部 芸術と典礼
第1章 聖画像の問題
第2章 音楽と典礼
第4部 典礼の組成
第1章 典礼様式
第2章 身体と典礼
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