2007年05月02日

「錬金術と神秘主義」アレクサンダー・ローブ タッシェン・ジャパン

錬金術と神秘主義

とにかく膨大な量の錬金術関係の図版が魅力です。ただ、TASCHEN社の出版物全般にいえることですが、印刷が綺麗とは言い難い。

図版命の本だけに、印刷の質がイマイチなのはかなりイタイ。この本に出てくる図版の幾つかは、荒俣氏の本で見たことがあるが、それと比較すると図版の見易さ、大きさ、印刷の綺麗さで格段に落ち、物足りない。

その一方で実際、錬金術やオカルト系の図版としては、よく見かけるものもあるが、私は本書で初見というものもたくさんあったので大変勉強になった。まだまだ、この世界にはこんなにも素敵な挿絵があるんだなあ~っと感動!!

でも、解説は良くない。元々、オカルト系は『隠秘学』からして、文字で明解に説明できるものではないのだけれど、本書の記述はやっぱり不十分、且つ意味不明。

本書の場合は、あくまでも図版を眺めて、個々の図版の最低限度の説明を読む程度でしょう。

そもそもまともに一項目づつ読み進めていくタイプの本ではない。個人的には、図版だけもっと整理して数を絞り、より詳しい説明を入れたうえで綺麗な印刷をしてくれたら、即、図版集としてだけでも購入するのにね。残念!

今のままでは、私はあえて欲しいとは思わないかも? 図書館で見れば十分ですね。やっぱり、印刷が綺麗じゃないとねぇ~。
【目次】
はじめに
マクロコスモス
大いなる作業
ミクロコスモス
回転
索引
錬金術と神秘主義―ヘルメス学の博物館(amazonリンク)

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本書と同じ図版が出ています。キルヒャーの奴ね。
posted by alice-room at 18:29| 埼玉 🌁| Comment(2) | TrackBack(0) | 【書評 未分類A】 | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
この本持っていますよ。日本語で出ているのですか?
Posted by Seedsbook at 2007年05月03日 15:40
さすがはSeedsbookさん! なかなかマニアっくな本をお持ちですね。日本語で出ていました。でも、今は絶版みたいです。もう少し値段が安かったら欲しいんですけど。なかなかのお値段なんで。

この本に出ていたキルヒャーの図版は、荒俣宏氏の「バロック科学の驚異」でも出ていました。こちらは特に図版がお薦めです。こちらも絶版になってしまっているから、なかなか入手は難しいのが難点。面白そうな本は、すぐ絶版になってしまいますねぇ~。困ったもんです。
Posted by alice-room at 2007年05月04日 22:45
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