
以前、著者の世界の庭園(?)とかの本を読んで悪くなかったのと、あの歴史の教科書で馴染み深い山川出版がこういう本も出しているんだあ~ってことで手に取った本です。
本書の第一部は一般的なロマネスクに関する説明でこの辺は正直可もなく不可もなく、といったレベルです。類書と違うところはないのですが、第二部に入ると、本書で紹介される具体的なロマネスク建築の教会の物量に圧倒されます。
ロマネスク建築はフランスの片田舎、交通の不便な辺鄙なところにあちこちと散在し、それこそ日本の無名な神社仏閣のように至るところにあるわけですが、実に丹念に精力的に各地を廻り、本書でも紹介しています。
勿論、定番のサント・マドレーヌ教会やフォントネー修道院、サン・サヴァン教会、サント・フォワ、ル・トロネ等などもありますが、それ以外にもかなりのボリュームで大量の教会を紹介しています。
他書でもロマネスク建築の本はたくさん紹介している本がありますが、本書もそれらに負けず劣らず、一番多いかもしれません。
モノクロで小さいながらも、頑張って図版も入れてくれているのですがねぇ~。
残念ながら、第二部の各教会の図像の文字による説明を補完するには至っていません。いくら説明読んでも目で見ないと理解も納得も十分にできないのが悲しいです。
でもね、旅行に行く際に是非、持って行きたいという気持ちにさせられる本です。何よりも行ってみたくなりますね!旅の案内書としては、これもありかと。
実際は電車だけでも回れないところばかりだと思うのでバスか徒歩か、レンタカーで回るしかないのかなあ~。ちょっとハードル高そうですが、実際にこの目で見て、写真を大量に撮りまくりたいと強く思ってしまいました。
まあ、新婚旅行のイスタンブール(予定)に行ってからだろうなあ~。
会社で休み取らせてくれないのが痛いね。無意味に職場復帰して、速攻で退職して有休使いまくるような人のしわ寄せくらうのは、本当に勘弁して欲しい!
やっぱり景気の良いうちに転職を検討した方がいいんだろうなあ~。
頑張って、職務経歴書のupdateを進めないとね。
一気に有休と合わせて、その時に2・3週間ぐらいヨーロッパ放浪しようか?
友人みたいに・・・・と思う私でした。
来年、シャルトル本を出版できるように、資料収集を進めないと。
やることいっぱいだあ~。
【目次】フランス・ロマネスク (世界歴史の旅)(amazonリンク)
第1部 中世ヨーロッパの歴史とロマネスク
中世キリスト教の「聖」と「俗」
中世農村へのキリスト教の布教
農村世界の成り立ち
グレゴリウス改革
修道院時代
日常の教会・墓地教会・巡礼路教会
異民族の侵入
終末論
「ロマネスク」とは
ロマネスクの建築と様式
地方色豊かなロマネスク美術
ロマネスク彫刻
第2部 フランス・ロマネスクの教会を訪ねて
パリ
ロワール地方
ブルゴーニュ地方
ポワトゥー・サントンジュ地方
ブルターニュ地方
オーヴェルニュ地方
アスザス地方
ランドック・ルシヨン地方
プロヴァンス地方
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「フランス・ロマネスクへの旅」池田 健二 中央公論新
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「とんぼの本フランス ロマネスクを巡る旅」中村好文、木俣元一 新潮社
「図説 ロマネスクの教会堂」河出書房新社
「ロマネスクの園」高坂知英 リブロポート
「ロマネスクの美術」馬杉 宗夫 八坂書房
「ロマネスクの図像学」(上)エミール マール 国書刊行会
「ロマネスクのステンドグラス」ルイ グロデッキ、黒江 光彦 岩波書店
「ロマネスク彫刻の形態学」柳宗玄 八坂書房