本屋で立ち読みしてたら、内容はまともそうなので読んでみました。
著者は企業で研究職にあった人みたいですが、何の因果か上司命令でマグロ漁船に乗り、そこで経験したことを契機に、ストレス・フルな社会で生き方の処方箋について開眼したようです。
それをまあ、いかにも理系らしくもっともらしい(≒)合理的説明(?)に置き換えて、『地理上の発見(=世界史で出てきたアレです。既に誰もが気付いているのだけれど、さも自らが発見したかのように)』としてスピーチする機会に恵まれ、そこからいつのまにやら独立して、そちら方面で食べていけるようになった方です。
書かれている内容は実にまともです。
普通に生活したり、普通に働いていたら、誰でも知っているし、それを実践しているのでは?と思ってしまうのですが・・・私が普通じゃないのかしらねぇ~???
逆にこの人はこんな当たり前のことを知らないままに、生きてこれたんだ。仕事してこれたんだ。と心の底から、「ゆとり」世代?と思わずにはいられませんでした。
まあ、私、ベンチャーばっかりハシゴしてるから、常に人・物・金、加えてノウハウやマニュアルなんて欠如した環境にいたもんで、自分で判断して走りながら行動し、軌道修正するなんてそれ以外の選択の余地などなかったですしね。
別にマグロ漁船に乗らなくても、普通に職場行って目の前の仕事してるだけで経験できるもんなんですが・・・。
気分乗らなきゃ、会社休むか、出社してもルーティンだけで判断や新しい発想を要する仕事はさけるようにするしね。書類やメールの整理、各種雑務とかしたり、メリハリつけるでしょ!
「ビタミンの最小律の法則」ねぇ~。
普通に「GOAL」のボトル・ネックでいいんじゃない?
言葉はなんであれ、言ってる内容は一緒だしね。
「ハインリッヒの法則」なら「失敗学」で宜しいかと。
物がなければ、自分で周りのある物から工夫して作ったり、代用したりするのって当たり前なんですけれどねぇ~。だから、トラブルとか突発的なことが起ると、みんな私の方に振られるかな?はあ~。
だったら、遊軍として普段はルーティンに組み込まないで欲しいのだけれども・・・。
自称・千里馬も名伯楽を上司に期待してはいけないか。そもそも千里馬にもならない駄馬だったりして・・・・余談だけれども・・・。
本書は、本当に何も知らず、また知識ではなく、経験でそういったことを身に付けていない人には刺激になるのかなあ~。内容は悪くないんだけれど、自分で経験して血肉と化したことではない知識を、本で読んで分かったようになって、それが使えるのか???疑問でもある。
逆にそういった当たり前のことでも、また知っている事でさえ、人はしばしば忘れてしまう存在であるから、本書を読んでそれを思い出す!そういう使い方ならできるかもしれない。
わざわざ買って読むほどではないんだけれど・・・本書は。
【目次】会社人生で必要な知恵はすべてマグロ船で学んだ (マイコミ新書)(amazonリンク)
はじめに
第1章 海の男はストレス知らず
乗船の覚悟を決めた船長の言葉
船酔いから学んだ幸せのありか
大しけの海でも動揺しない
マンタのジャンプと興味の扉
大海をコントロールしたがる人
努力の捉え方
第2章 海と向きあえば自分がわかる
海では誰もが完璧になろうと思わない
漁師から教わった才能のありか
他人の評価は気にならない
クラゲにはクラゲの生き方がある
荒天があるから魚が獲れる! 落ち込むことの大切さ
勉強ができると判断力が鈍る?
第3章 海の男は仕事を楽しく変える
借金でマグロ船に乗ったことが人生を好転させた
つまらない仕事と尻拭い
仕掛けの場所を変える勇気
第4章 マグロを釣るために必要な考え方、ものの見方
きちんと見ないとマグロは金魚になる
海はシャチもマグロもどちらも育てる
目的地までのたどりつき方
マグロを高く売るための法則
不便だから何でもできる
第5章 基本に忠実であれ! 時に大胆かつ賢くふるまえ!
ケーキでマグロを釣るな!
釣り針塗装の戒め
自信があれば海賊は怖くない
偽情報を流す船
第6章 マグロ船で学んだ 人を活かすコミュニケーション術
海の男は物語で人を動かす
サメにかまれて叱られる
海の男は、話にいったん乗る
ギスギスしない人間関係のつくり方
どんなアドバイスも、海の広さで受け止める
港で愛される海の男の魅力
おわりに
参考文献