決して悪い意味ではない。軽い読み口でさらりと読める読み物となっています。
魔物とやらが、探偵小説に何の違和感もなく出てくるのが今風といえば、今時らしいのですが、基本はオーソドックスなノリです。
ちゃんと読めるし、それなりに面白そうではあるのですが、こいつは凄い!とか一発で著者のファンになるとか、そういうことは決して起り得ない作品です。
どこにでもありそうな小説ですし、実際そうなのだと思いますが、逆にそれが当たり前過ぎるほど普通なので、読んで楽しむ、という点では十分に及第点を与えられる作品だと思います。
これは知り合いに軽く紹介するのもありかな?と思います。
舞台は大正モダニズム華やかなりし頃。
帝大の若き美貌の青年助教授が探偵さん役を勤めます。
探偵にはつきものの、小林少年役は男装の麗しい少女と相成ります。
そこで起きる怪異な時間をその探偵さんが謎解きをしていく・・・・万事、そういう塩梅ということで・・・。
ただ、探偵役さんの博識という設定の一端として、もう少し衒学的な側面とか詳細な記述があると、深みが増すのですけれどね。正直、私にはどこが博識なのかちょっとイメージできなくて・・・。
もっとなんとかなると、きっと面白さもいや増すかと思うのですが・・・・。
そこが残念ですね。一話簡潔で複数の短編が入ってる構成ですが、続巻も出ているようですが、読むかは微妙ですね?悪くはないのだけれど・・・・。紳堂助教授の帝都怪異考 (メディアワークス文庫)(amazonリンク)