印刷博物館ホームページ

土曜日に行ってきました。最初はそんなに期待していなかったりする。つまんない(失礼!)昔の印刷機械が展示されているのかなあ~って。ところが、あにはからんや(古い表現だこと)? ええっ~と驚愕するような初期印刷物の数々。だって、あのグーテンベルクが印刷した本物があるんだよ、500年くらい前の印刷物なのに、ちっとも古臭くない。紙質がいいもの使ってるとこうなんだ~って感動を新たにしました。

だって、だってね! あの当時に印刷されたものって今のものと内容的には変わらないどころか、現在のもの負けてるんじゃないかと思った。他言語印刷の聖書だったかな?見開き2頁内に、あの当時で4ヶ国語で聖書書いているんだよ。章毎ごと対照比較できるように描かれていて、半端な気持ちじゃできないです。勿論、需要があったにせよ、すごいと思う。現代日本にそんな聖書ないと思うし、(需要の問題とかは別にしても)複数言語で聖書作るのって大変なはず。だって、言語別に活字を一から作るんだよ!!ああ~合掌。

で、なんとラテン語の辞書もあるんですが、それがラテン語ーアラビア語辞書。アラビア文字の活字があるんですよ。活版印刷が始まって100年も経たないうちに。本当に印刷技術の素晴らしさを実感できます。一気に、情報・技術・学問がブレイクしたんでしょうね。想像に難くないです。

あっ、あとすごいなあ~と思ったのが、7国語対応の商業会話集。JTBさんあたりから出てる6カ国語会話集なんてめじゃないです。鼻でふふん~って笑えそう。当時のオランダ・アントワープは世界第一位の商業都市であり、国際金融の中心地でしたから、そのニーズがあったんでしょうね。商業会話だけあってその内容も「物の値段はいくらか?」「金利はいくらか?」とか即、実践に使えるもの。うおお~、当時の国際大商人に重宝されて高い値段でも売れたんでしょうね。技術もすごいが、それを利用してビジネスにつなげるアイデアが秀逸です。これらを一手に引き受けてた印刷業者は、やり手経営者だったんでしょうね。聖書に、商業会話集ですもん。今、市販されてるのは、二番煎じなんだ~。初めて知りました。

そうそう、個人的に興味を引いたのが禁書目録。バチカンから異端指定された本を調べる為に、禁書一覧の目録を印刷してたそうです。現物が目の前にあり、そこにしっかり「ルター」と書かれていて、異様に感動しちゃいました。やっぱり、あやつは禁書の対象だってね(笑顔)。そんなのを見てたら、ついつい私なんて、必死にナインズ・ゲートの悪魔本ないかと探してしまいました(爆笑)。でも、バチカンの図書館にあるんだろうなあ~。読めないけど、見てみたいです。きっとダ・ヴィンチ・コードもその中に初版であるんですね!異端者ダン・ブラウンとか名簿に書かれたりして・・・すみません、ちょっと妄想モードです。

出品物はプランタン=モレトゥス博物館より借り出されているんですが、逆におっと思ったのが、ここ印刷博物館自体が所蔵しているの作品も多いんです。全然知りませんでしたが、引札(商家が年末に取引先に配る縁起の良いポスターみたいなもの)も相当持っているし、ターヘルアナトピア(解体新書)や様々な博物誌とかも多数所蔵。さすがプリント基板の印刷までやる凸版印刷、金持ってるし、なかなか心憎いことするね。文化事業として金の使い方が生きてますよね。本業の延長線上にあり、しかも社会的に有意義だし。

鯰絵や引札の展示の他、ヨンストン『禽獣魚介蟲図譜』 、グーテンベルク「42行聖書原葉」 、デューラー『黙示録』 他、ここが所有しているものにも一級品が多数あります。その手のものが好きな人は絶対に&絶対にこの機会に行ったほうがいいです。特に都内近郊なら、行かないと後悔しますぜ~。もう涎ものですから、ホント。会期は7月半ばくらいまでだったかな?私もまたもう一度、見に行くつもり。知名度がないせいか、人がほとんどおらず、せいぜい学校で子供達を連れてくるくらいですが、とんでもない。お子様には100年早いって! 大人が楽しめる最高の娯楽施設です。複製本がいくつかあり、それは実際に手にとって頁がめくれます。持って帰りたくなってしまいますね(泥棒予備軍の私)。

ほんと、好きな方は見逃さずないように、これだけのもんは見れませんよ、どこ行っても(アントワープの博物館以外)。帰りにミュージアム・ショップもお忘れなく。私は絵葉書を収集しているんですが、思わず気に入ってしまい、30枚以上も買い込んでしまったくらい。
建物もなかなか雰囲気いいけど、ここはお気に入りになりました(満面の笑み)。

ちなみにここの写真は、購入した絵葉書からスキャンしたもの。クリックで大きくなります。

【追加】
書き忘れてましたが世界最古の印刷物、百万塔陀羅尼がありましたよ~。勿論、本物です。実物は初めて見ました。ギャラリーフェイクとかでも採り上げられてましたが、さすが印刷文化、日本の誇らしい宝でしょう。こういう素地があったから、世界に冠たるオタクが生まれたんでしょうね、ふむふむ。

 
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