2015年07月15日

「西洋書物学事始め」高宮 利行 青土社

本書は月刊誌「ユリイカ」に連載されていたエッセイをまとめて、そこに関連するものを増補した一冊だそうです。その為、基本的に1章毎に独立した読み物になっていて、気に入ったものをパラパラ斜め読みもOKな本となってます。

もっとも・・・読書好きというか古書マニアタイプの方なら、どれも興味深い内容で全てあっという間に読了してしまうと思いますけれど・・・。

内容は本に関する書誌的な話や書物の歴史、古書にまつわるエピソードといった感じの雑多な情報が盛り込まれています。しかも・・・・普通に生活する分には全く使用しないたぐいの、純粋に趣味の人向きの情報、知識ですけれど・・・ね(笑)。

それでも私は気に入りました。
図書館で借りた本でしたが、改めて購入して手元に置いておくつもりです。

写本や初期印刷の話は、本書よりも詳しく書かれた本を何冊も読んでいるので特に目新しさはありませんでしたが、でも恥ずかしながらハーフタイトルとか全然知りませんでした!

あと本に囲まれたイギリスでの大学生活の話は、別の数学者さんの本でも書かれていた状況から推測はされたものの、やはり羨ましい恵まれた環境ですねぇ~♪

まあ、ないものねだりしてもしょうがないしね。
今の生活のままで自由に本を読む時間のある生活ができれば、その程度で私は満足なんですけどね。
働かなくても生活に困らないだけのお金を得る方法を見つけないと!
それが見つからない限りは、致し方ない、日々の奴隷的労働に勤しむっきゃないですね。
去年買ったおうちのローンも早く払い終えねば!!

その前に早く部屋の荷物を片付けて、本棚を二竿ぐらい増やさないと、本があふれそう・・・・。
先週末に購入したソファも今週、納品されるし・・・・やることいっぱい・・・・orz。
お庭の草むしりに、ペーパードライバーから脱却する為の練習も待ってる・・・・。

どう考えても仕事をする暇なんてないのに、転職の準備もしないとねぇ~。
溜まってる積読本の消化もしないとネ。
【目次】
1 ペンと剣は両立する?―写字生のイコノグラフィー
2 「大破門」から蔵書票へ―中世人はいかにして本を守ったか
3 鵞ペンから鉛活字へ―中世ヨーロッパの写本生産と初期印刷術について
4 活版印刷所のイコノグラフィー―グーテンベルク革命の終焉をみつめながら
5 樽詰め輪送の書物―イギリスでも装飾されたグーテンベルク聖書
6 本を寄贈するのもむずかしい―ピープス図書館に入れてもらえなかったキャクストン写本
7 これがないと古書の価値も半分に―ハーフ・タイトルの歴史的考察
8 文人、パトロンと出版者―だれが一番強いか
9 歴史をもてあそんだ男―18世紀イギリスの偽作者チャールズ・バートラム
10 閉ざされた図書館?―カーライルとロンドン図書館150年
11 109年後にやっと日の目を見た木版画―ケルムスコット・プレス以前の出版人モリス
12 若きモリスと『アーサー王の死』―書物史的観点から
13 書誌学者ジェフリー・ケインズの誕生―学術書の出版を考える
14 物惜しみしない偉大なコレクター―アーサー・ホートン・ジュニアの一周忌に
15 稀覯書よりワインに淫して―あるビブリオフィールの1日
本・本・本―ケンブリッジの書物人
西洋書物学事始め(amazonリンク)

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「書物との出会い」紀田 順一郎 玉川大学出版部
「書物の狩人」ジョン・ヒル バートン 図書出版社
「書物への愛」リチャード・ド・ベリー 北洋社
「愛書狂」鹿島茂 角川春樹事務所
「書物の敵」ウィリアム ブレイズ 八坂書房
「美しい書物の話」アラン・G. トマス 晶文社
「グーテンベルクの時代」ジョン マン 原書房
「中世ヨーロッパの書物」箕輪 成男 出版ニュース社
「本の歴史」ブリュノ ブラセル 創元社
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「ヨーロッパの歴史的図書館」ヴィンフリート レーシュブルク 国文社
「世界の図書館」徳永 康元 丸善
「西洋挿絵見聞録」気谷誠 アーツアンドクラフツ
「西洋の書物工房」貴田庄 芳賀書店
「近世ヨーロッパの書籍業」箕輪成男 出版ニュース社
「グーテンベルクの謎」高宮利行 岩波書店
「ルネサンスの活字本」E.P.ゴールドシュミット 国文社
「ヨーロッパの出版文化史」戸叶勝也 朗文堂
ラベル:書評 書誌学 古書
posted by alice-room at 23:04| Comment(0) | TrackBack(0) | 【書評 本】 | 更新情報をチェックする
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