2015年07月20日

「バチカン奇跡調査官 終末の聖母」藤木 稟 角川書店

syumatunoseibo.jpg

世間様ではいつのまにか耽美系の扱いっぽいみたいですが、基本はオーソドックスな謎解きタイプの推理小説です。まあ、バチカンの奇跡調査官が主人公っていう設定は最近だいぶありますが、独身のイケメン2人の組み合わせがその筋には堪らないのかもしれませんね(苦笑)。

一見すると有り得ない、まさに『奇跡』となる現象を合理的な説明に導いて謎解きになるのですが、段々、ネタ切れなのか、話に無理な感じが漂ってきているのを今回は色濃く感じた。

まるで「ドラよけお涼」のアレと同じ説明つ~のは、どんなもんでしょうね?
パクリとは言わないまでもどうも説明にチープさが漂ってしまい、なんだかねぇ~。

あちらはある意味突き抜けた形でのエンターテイメントに徹しているのに対し、こちらはあくまでも正攻法なのがいいと思っていたのですが・・・だからこそ、他にありそうでいて比類ない、藤木氏らしい作品だと楽しんでいたのですが・・・。

マヤ文明の歴史・文化等の説明や比較宗教学的な観点からの視点の説明とか、他にも土着の民族の聖地をキリスト教的聖地に塗り替えていく過程の話なんかは、地母神や黒い聖母とかに興味を持っていた私には自明であっても、それでもとても興味深く読んだりはしていたのですけれど、でもね、やっぱりどんなもんでしょうかね?

最初はまともな作品を書かれてたのに、突然、安易な空想歴史SF小説を書いて彼岸に行ってしまった作家の高橋克彦氏を髣髴とさせる書きぶりで、なんか堕落した匂いを感じてしまったのですが、本書に。

売れ筋だからって、執筆速度を増すと大概、こういうのになりがちなのでシリーズが長期化すればするほど、作品の質が心配になってしまいますファンとしては。

まだ何冊も未読が残ってますが、あまり読みたいという気持ちが薄れてきそうで悲しいです。

そうそう、一応、内容について。
マヤ文明が舞台。

本書を読んでいて常に頭に浮かんだのがこの映画「スティグマータ」。
聖痕の奇蹟を描いた作品ですが、まさにあの映画の雰囲気なんじゃないでしょうかね?

メキシコの土着のなんとも異教的な宗教的情熱の発露を感じさせる作品です。
謎解きは、正直あまり納得がいかないのですが、次回作を期待します。
オーパーツとか、あの辺はやめといて欲しかった!
率直なところ、『ムー』とかやめましょう♪

バチカン奇跡調査官 終末の聖母 (角川ホラー文庫)(amazonリンク)
posted by alice-room at 23:28| Comment(0) | TrackBack(0) | 【書評 小説C】 | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
コチラをクリックしてください

この記事へのトラックバック