
もうかなり昔になってしまいそうな合コンの記憶を呼び起こしながら、本書を読んでおりました。
週に2、3回とか行ってた頃は、はやいずこ?ってな感じでしたが、正直、とっても懐かしかったです。
今はもうそういうのどうなってんでしょうね。
既に既に「合コン」なんて名称自体が無くなってしまっていそうですが・・・・???
主人公は草食系を絵に描いたような男性。
新人社会人で奥手ながらもまあ、異性に好奇心はある、普通の男性。
それが普通の合コンに出た時に、たまたまちょっと変わった出逢いをしたことで、日常から一気に非日常の世界へと急展開していく。
まあ、この辺はどっかでよく聞くような話。
最終部分のそれなりに二段オチしていく辺りはそつがなく、ストーリーテラーとしては上手なんですが(実際、読んでいる間は結構、引き込まれてましたし、最後まで一気に読む終えるだけ読者を惹き付ける力はあると思います)、結論をいうと刺激が足りない。
比べるべきではないし、アレと比べてはいけないのかもしれませんが、日常と非日常の狭間の話になると、「みーまー」を頭に浮かべてしまいます。向こうは常識を一歩外してしまったあちらの世界での話ですし、本書は、日常を踏み外そうとしつつも、最後までしっかり日常に留まっている、そういう意味で正しい(?)小説なのですが、どうしても・・・・予定調和の範囲内で収まってしまう・・・それがいいのか、悪いのかは別なんですけどね。
なんというのかな?
いわゆるライトノベル対象の層よりはむしろ、一般的な読者層。
20代後半から30代のOLのお姉さま達向きのような・・・心理描写やストーリーの描き方はこれが初作品とは思えないぐらい上手です。ベテランみたい。
テーマが一般的なだけではなく、ノリやシチュエーションもまさにそれよくあるある的な感じなのですが、うん、最後の方は予想できなかったけれど、想定内というか今時では週刊誌的に有り得てしまう堕ちたネタで済んでしまいそうなのがなんともねぇ~。
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