逆に言うと、そういう背景を持った特定の層の人向けに、個人的な宗教観をベースにして中世キリスト教に関するトピックを都度、採り上げて自分の主観的な思いを語ったもの。エッセイ等と同じ類かと。
個々の内容は興味深いものを散見するのだが、正直、カトリックでもプロテストでもない一般人の私からすると、相当違和感とともにうっとおしい感を覚えてしまう。
ユートピアのトマス・モアがカルトゥジオ会だったなんて、夢にも思わなかったし、当然知らなかったのでそれを知っただけでも読む価値あったかも?
聖変化の解釈とかは、以前から知識としては知っていたのですが、ここに書かれているのも興味深ったです。
著者がこういった軽い系の本ではなくて、きちんとした専門書で書かれた本だったら、改めて読んでみたいかも?そう思いました。ただ・・・本書は、あまり好きではないです。
個人の信仰とか、私にはまったく関心が無いものでね。
あと、トピックの数が多過ぎて、1項目辺りの分量が少なく、結果的に薄っぺらなのも残念!
もっと掘り下げたところまで書ける感じが漂っているのに、読者層を意識してか、半端ないセーブ感が漂っていて内容や深みを抑制しているようなきらいさえあったように思われます、残念!
本書自体はあえて読むほどの価値はないでしょうね。おそらく・・・・。
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