2015年12月14日

「古本の時間」内堀弘 晶文社

確かに古書店、古書に関する読み物。エッセイではあるのですが、自分の関心のあるジャンルとは全く違う「詩歌」とかがご専門の古書店さんらしく、正直、出てくる本自体については全く関心が湧かないし、知らなし、面白くもないです。

唯一ではないけれど、かろうじて知っていたのは、あの「彷書月刊」の立ち上げからずっとやられていた方なんだあ~ということぐらいでしょうか。

本来、全く面白くないはずの本なのですが、何故か思わず一気読みしてしまいました。

そうそう、いくつか気になった点をメモ。
今は亡き西武池袋のリブロ(今日行ったら、三省堂になっていた品揃えはリブロの時より駄目。まあ、aamazonとは違うリアル店舗の差別化を図ろうとしているのは分かるのですが、本好きがあんなの求めているのだろうか?ジュンク堂も広いのだけれど、品揃えのセンスが正直違う。商売は難しい時代なんでしょうね)のことが載っていた。

『感性』とか実体のない感覚をウリにしていたかつてのパルコのような、西武系のノリが溢れていたリブロですが昔は面白い店だったんですけどね。急速につまらなくなって行かないようになっていたけれど・・・・。

まあ、それはおいといて、池袋リブロの元店長さんのこととか書かれてました。
あとあそこに、そうそう、絶対に客もいないし、売れてもいなさそうな詩とかを扱った一角があったのですが・・・・。私も1回だけ何か買っただけで、あとは冷やかしで見るだけでしたが・・・その割には何度もうろうろしてましたが、あそこに関係していた方だったんですね。

どうやって、このスペースでこの商材でビジネスが成り立つのだろう???
とずっと、不思議に思いながら、横目でみていましたが・・・なんか懐かしい。

他にはない本を確かに取り扱っていたと思います。
私が欲しいものは、何もありませんでしたが・・・。

次に署名本の話。
亡くなった作家の署名本は値段が上がるか否か?
「・・・作家の寿命は同時代の熱心な読者の寿命と重なっている。あす時代を象徴するような作家に出会い、夢中になって読み、限定版が出ればそれを買いそろえる。持ってない初期作品はボーナスが出れば古書店で買う。そうした作家の寿命を全うした後には、熱心な読者の蔵書があちらから、こちらからと古書の入札に出始めるものだ。しかし、それを熱く求める需要はもうない。だから安くなる。」

まさに、その通りなんでしょうね。
私が1冊1万円以上も出して渋澤や三島の雑誌「血と薔薇」とか集めてましたが、安くなったものね。
渋澤さんの初版本なんか暴落して二束三文で売られているのを何度もみました。

あれを高く仕入れていた古書店さんはたくさんいたのでしょう。
古書市や古書店のあちこちで見かけます。
持っているけれど、あまりになんか残念でついつい買ってしまうのですが・・・置き場所がね。
まあ、独り言です。

そうそうBIGBOXの古書市がなくなったのも本書で知りました。
時々行ってたんですけれどね。学生時代から・・・あまり良い本は無かったけれど・・・。

あと興味を惹いたのは建国大学の第1期卒業生アルバム。
「『虹色のトロツキー』(安彦良和)・・・。
「虹トロ」と呼ばれたこのコミックは満州の首都に作られた建国大学から物語が始まる。面白かった。この大学は石原莞爾が唱えた「五族協和」「アジア大学構想」を実現したもので、学風は自由闊達。第1期制覇わずは141名で日本人は半分。あとは満州、台湾、朝鮮、蒙古の学生だった。教員の側もそうだ。客員教授にモスクワを追放されたトルツキーを招聘しようとしたが、それがタイトルの伏線にもなっている」

これって満州建国大学のことだよね。
確か今でも司法試験とかの受験資格のところに書かれていたはず。
満州国関連は未だに実に興味深い。

読後感は悪くなかったです。
【目次】
I 降ってくる“虹の破片"を買って(二〇〇二~二〇〇五)
日録・殿山泰司と沢渡恒
神保町と山口昌男さん
テラヤマを買う
読書日和――本作りの現場の本
追悼 岩森亀一(古書店・三茶書房店主)
古本屋の雑記帳
コルシカさんのこと
古書肆の眼・日録(I)

II まるで小さな紙の器のように(二〇〇六~二〇〇九)
吹きさらしの日々――『古本屋残酷物語』を読んで
日記の中の――『ある古本屋の生涯』を読んで
ちくまの古本
古本屋大塚書店
優れた火災の完了――詩人塩寺はるよ
あのとき、あの場所の一冊――中勘助『飛鳥』
まるで小さな紙の器のように――詩集の古本屋
消えた出版社を追って
岩佐東一郎のこと――『書痴半代記』解説
深夜食堂
古書肆の眼・日録(II)

III 驚くような額を入札し、それでも買えない(二〇一〇~二〇一三)
古本の時間
四十一年前の投稿欄――詩人 帷子耀
ドン・ザッキーの背中――『ある「詩人古本屋」伝』
『彷書月刊』のこと
追悼・田村治芳(『彷書月刊』編集長・なないろ文庫ふしぎ堂店主)
書物の鬼
冬の音
年末年始古本市場日記(二〇一二~二〇一三)
古書肆の眼・日録(III) あとが
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「古書法楽」出久根 達郎 中公文庫
「古書ワンダーランド1」横田順弥 平凡社
「ぶらぶらヂンヂン古書の旅」北尾トロ 風塵社
「ニューヨークの古本屋」常盤新平 白水社
「古本屋の来客簿」高橋輝次 燃焼社
「神保町の虫」池谷 伊佐夫 東京書籍
「古書街を歩く」紀田 順一郎  新潮社
ラベル:書評 古書
posted by alice-room at 20:31| Comment(0) | TrackBack(0) | 【書評 本】 | 更新情報をチェックする
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