2016年02月16日

「スペインの光と影」馬杉 宗夫 日経

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この著者の作品はどんだけ私読んでるんだろう・・・。
本作も期待して読んだのですが・・・ちょっと違ったかも?

第1部はカタルーニヤ美術館の話で、私、バルセロナ行った時にちょっとロマネスクとしてもちょっと毛色が違うだろうと全く寄ろうとも思わず、観光する場所から外していたんだけれど・・・。

本書を読んで是非、一度行ってみるべきではと思った。
スペインのあちこちにある有名どころの壁画を聖堂から引っぺがしてあるとは知りませんでした!
なんか今回初めて知ってそれがすごく残念です。

ピカソとか、キュービズムへの影響については、まあ、本当にそう?というのはありますが、一画面にいくつもの場面を盛り込む中世絵画の視点の話は何度も聞いているけれど、改めてカタルーニヤ美術館で直に確かめたいと思いました。

その辺は本書を読む価値のあったところかな?

第2部のサンチャゴ・デ・コンポステーラへの巡礼途上で各地に残るロマネスク建築を見て回る話なのですが・・・これは正直、文章だけで写真が悪過ぎてお話にならない。

率直に駄目です。

いくら文章で読んでも大きくて鮮明な写真なしには読者に何も伝わりません。
また、文章もこれでは何も伝えられないかと。第2部は私にとって不要でした。

芸術新潮のがはるかに良いし、あちらは意味があるものかと。
本書は基本、読む価値はありませんでした。
【目次】
第1部 光と影の道カタルーニャ
カタルーニャの色彩
影に沈むモンカダ通り 若きピカソの街・バルセローナ
陽のあたる丘モンジュイク―ミロ美術館
ロマネスク美術の宝庫―カタルーニャ美術館
鬼才ガウディと聖地モンセラの山
異端の贈物―ベアトゥス本写本と天地創造のタピストリー
レコンキスタへの願い―ピレネーに眠るリポールの扉口彫刻)

第2部 星の道 サンチャゴ巡礼
千年王国―サンチャゴ伝説と巡礼
ピレネーを越えて
王妃の橋
星隆る町
過酷な地
ブルゴスからレオンへ
レオン王国
星の輝く野―聖地サンチャゴ・デ・コンポステーラ
旅の終りに

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「芸術新潮1996年10月号」生きている中世~スペイン巡礼の旅
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posted by alice-room at 17:37| Comment(0) | TrackBack(0) | 【書評 美術】 | 更新情報をチェックする
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