2005年06月17日

「守護聖者」植田重雄 中央公論社

聖クリストフフォルス、聖ゲオルク、聖マグダレーナ、聖ニコラウス等々、メジャーな聖者が選ばれており、聖人のことをちょこっと知りたい向きの方には重宝かも。中でもマグダラのマリアについて、触れているのはありそうでいて使える本は少ないのでそれだけでも価値があるかも。私が苦労して読んだ「黄金伝説」のマグダラのマリアの伝承が数ページを使ってほとんど完璧に要約されています。というか、そのまんま抜粋してないか?前田氏の苦労は・・・?

逆に言うならば、現在絶版である人文書院の「黄金伝説」のうち、マグダラのマリア伝承を知りたい方にはお薦め! でもでも、この本自体も絶版みたいなんですが・・・。呪われてるマグダラのマリア。それともやはり○○の陰謀か?(オイオイ)

他の聖人についても、あてはまるんですが、説明に際してかなりの部分を「黄金伝説」に拠っています本書。勿論、それが全てではありませんが、黄金伝説にプラスした付加価値部分の価値が疑問? 私的にはその部分に対して読むだけの意義を認められませんでした。但し、黄金伝説を読んだことのない方には、本書は良き案内書になると思います。同時に黄金伝説が入手できるなら、本書は不要です。ほとんど黄金伝説の抄訳以上のものではありません。

あくまでも個人的な意見ですが、この著者の書いた他の本も購入予定だったんですが再考するつもり。類書が無ければ、しかたないですが、あまりいい本書けない感じ。書籍代、無駄使いしなくて済むかな。

守護聖者―人になれなかった神々(amazonリンク)

関連ブログ
「中世の奇蹟と幻想」渡辺 昌美 岩波書店
「黄金伝説1」ヤコブス・デ・ウォラギネ著 前田敬作訳 人文書院
マグダラのマリア 黄金伝説より直訳
「黄金伝説抄」ヤコブス・ア・ウォラギネ 新泉社
エスクァイア(Esquire)VOL.19
posted by alice-room at 19:05| 埼玉 ☁| Comment(0) | TrackBack(1) | 【書評 宗教A】 | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
コチラをクリックしてください

この記事へのトラックバック

聖マルティン - 冬の訪れ
Excerpt: あたりがすっかり暗くなった頃、黄色っぽい小さな光が点々と一列に揺れながら動いてゆくのが見える。ぼんやりと照らされた手や横顔が浮かび上がっては消えて行く。 11月11日は聖マルティン祭。 手に手に蝋燭..
Weblog: 散歩絵、記憶箱の中身
Tracked: 2005-11-13 17:17