また、最近は都心回帰が話題の一方、都内のマンション価格や売れ行きもそろそろ陰りが出始めたような記事を読んだりしていてふと気になってまとめて関連書を読んでみました。
人気がなくなって地域の人口が減れば、当然税収も減り、北海道の夕張市のように破綻し、まともな行政サービスが提供されなくなるような心配さえも多々ある日本ですが・・・うちの周りは何故か建設ラッシュ。
自宅の半径50m以内で16軒ぐらい家を同時進行で立ててるなあ~。
うち12軒はまとめた開発だけれど、あとは2軒毎に少し離れた一角だし、勿論、建設会社も別。
近くに小学校は多いし、子供もたくさん。
外車やレクサス持っている家もあるけれど、みんなお金あるよなあ~。う~ん、どうやって住宅購入資金の他に車の購入資金があるのか不思議です???
さて今回、本書を含めて読んだ本は「新・日本のお金持ち研究」「23区格差」。
一番面白かったのは「新・日本のお金持ち研究」。
データもしっかりしているし、示唆に富む指摘も多く、日本人がいかにして住まいとする土地を選んできた結果が都市(地域)となってのか非常に興味深いし、面白い。
で、一番つまらなかったのは本書。
データ的な裏付けはほとんどなく、ぶっちゃけあまたある本の中からつまみ食いして、ちょっとキャチーなものに対して、WEB上に転がっているような一事例的な紹介で読者受けを狙っているが、本文とは正直何にも関係ないし、意味がないものとなっている。
まあ、意味がないと言っても、具体性を増すので話をイメージしやすくなるのですが、適当に著者の主張に都合の良いことを補強するようなものでしかなく、建設的な意味は皆無。
「23区格差」は一応、データの裏付けっぽいのはあるのですが・・・(元々お仕事その関係の人ですしね)。
書かれている内容は、特筆すべきことはないかと。個々の区毎にその特徴が挙げられて説明されているのはいいのですが、読み物としてはあまり面白くはないです。
上記比較はおいといて、本書について。
「西高東低」は言うまでもない話で誰でも知っているので今更触れるまでもないこと。
八丁堀とか○○横丁、マイルドヤンキーの地元志向とか、流行りの情報は積極に取り込んで触れられているものの、あくまでも触れているだけであって、そこから何か新しい示唆とかを提示しているようなものは何もないです。
そして・・・メディア系の方なのも含めて、政治・経済関係についてはあまり明るいようではなく、非常に表層的なまさにTVや雑誌で書かれているような内容レベルの理解で、それを踏まえて本書でも意見を述べられていますが、大いに間違っていると思われます。
いっぱい指摘したい箇所はありますが、きりないので端的に言うと田中角栄の経済政策が日本経済の繁栄を止めたなんて言ってますが、どこの経済学者や民間エコノミスト、政治家に聞いたってそんなことをいう人はおりません。東京の局所的経済繁栄を日本全国に拡大し、まさに高度経済成長を可能にしたことさえ無視して、どこをどうみたら、本書のような主張になるのかなあ~。
いやはや、もう論外なんだけどね。
まあ、WEB上でキーワード検索して上がったものをコピペで切り貼りした昨今の学生の卒論レベルだと思えばよろしいかと。本書の内容は。勿論、読む必要はありません。
【目次】
第1章 東京の住むところは西側郊外から中心部へ
第2章 食と住が近接している
第3章 東京住民のそれぞれの引っ越し理由
第4章 なぜ東京一極集中は進むのか
【4-1】東京内一極集中という現象
【4-2】人口集中と規制緩和
【4-3】景気上昇と人口集中
第5章 人はなぜ都市に住むのか
東京どこに住む? 住所格差と人生格差 (朝日新書)(amazonリンク)
23区格差 (中公新書ラクレ 542)(amazonリンク)
新・日本のお金持ち研究 (日経ビジネス人文庫)(amazonリンク)