2016年11月03日

「中世社会の構造」クリストファー ブルック 法政大学出版局

思わぬところでサン・ドニのシュジェールが出てきて感慨深かった。
光の形而上学のくだりは、大元を知っていればこそ、分かるものの、本書の説明で内容を正確に理解するのは難しいだろうなあ~と感じた。

そうそう教皇を選出する会議、コンクラーベの誕生については興味深い記述があった。
おおまかな由来は知っていたが、ここまで酷いことをやっていたとは・・・。
ただ、これが定着して今のようになるんですね。
・・・
教皇が死ぬとオルシーニは手が届く範囲にいた全ての枢機卿を集め、監獄に改造されたローマの宮殿に彼らを追い立てた。教皇を選出するまで、彼らはそこに監禁された格好になったのである。何週間もの苦悩ののち、枢機卿たちは脱出方法を見つけた。仲間のうち一人が既に死に、もう一人も死の床にあった。彼らはその男を教皇に選出し、その男もまた死んでゆくまでの短期間に、脱出することができた。
・・・
「我らは人生を生きる価値をほとんど見失うまでに我らをせめたてた、数え切れぬ苦痛、絶え間ない熱気、悪臭、悲惨な監禁、侮辱、空腹、飢餓、病などすべてについて考えを巡らせた・・・・」。
・・・
我らが手足を縛られ、盗賊のように鞭打たれて監獄へと引きずられていった時の様子を忘れたとでもお思いか」と記述はさらに続く。
・・・
監獄の衛生設備からくる彼ら自身の苦しみが語られ、また納骨堂に閉じ込められて門番に唾をかけられ、からかい半分に滑稽な歌を聞かされ、さらにはベッドの下から石ゆみでつつかれた・・・
・・・
元老院議員がおそるべき脅迫でわれわれを拷問にかけたことも忘れてはなるまい。彼は新しい教皇を選出したら、即座に明らかにするようにと命じ、我らをせきたてんがために、前教皇の亡骸を墓から掘り出して我らの中央に据えたのである。
そもそも、そうまでしなければならなかった背景としての教皇君主制などの説明も改めて、勉強になります。
【目次】
教皇と乞食
国王と王権
教皇と司教
教皇と国王の選出
農民、都市民、領主
乞食と教皇
中世社会の構造 (りぶらりあ選書) (amazonリンク)

おっと、この本以前に読んでいたのに気づかない私って・・・。
最初は借りた本だし、これは買った本で再読ってことになるのか。買うほどの価値があったのかは疑問ですが・・・?

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タグ:書評 歴史 中世
posted by alice-room at 08:26| Comment(0) | TrackBack(0) | 【書評 歴史B】 | 更新情報をチェックする
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