2016年11月10日

「居住の貧困」本間 義人 岩波書店

日本の住宅問題を取り上げ、その歴史的過程を踏まえ、他国との比較を行いながら、具体的な提言をする、ということなんですが・・・。

率直なところ、よくある政府批判と予算の裏付けのない理想論的なあるべき論。
そりゃこの著者の述べる通りのことをすれば、短期的には喜ぶ国民もいるでしょうが、せいぜいが美濃部のばらまき政策で都の財政を酷くしただけの二の舞になるでしょう。しかも国レベルでより大規模に悪化するだけです。

無知な学者さんみたいなこと言ってるなあ〜と思ったら、著者って学者さんだったんですね。しかも元・朝日新聞の記者。

そりゃ、政府を批判するだけの訳です。納得!
実際の政治で多様な利害関係の調整をしつつ、予算を獲得して政策として実現していく、その一番大切で困難なところにはほとんど触れることなく、この人、何夢みたいなこと言ってるかと本書を読んでいて思いましたが・・・。

しかも文屋根性が抜けていないようで、客観的な立場からの政策提言みたいなこと言いつつ、時々、個別の政治家個人名を挙げてその政治家が政府の政策に則った企業の役員に名を連ねているとか、訳わからない政治家批判を織り交ぜていて、ただ自分が思ったことを何でもいいから正当化しているどっかの新聞記事の社説とかそのレベル。

学者としても失格かと?

あとね憲法25条が保障している生存権はあくまでも理念であって、具体的な水準はその下位規定の法律によって規定され、どの水準が保障される基準となるかは社会的・経済的な諸条件の中で勘案されて決まっていくことと一般的には解釈されているし、本人も十分に理解したうえで憲法を持ち出すっておかしくない?

だったら、憲法改正、最低でも立法部分から提案すべきですが、現場の官庁さんヨロシク的な丸投げってアホかと?これだから朝日は・・・・って思ってしまいます。

他にも日本の住宅政策が高度経済成長期以降、『量』を優先し、その後、バブル崩壊を経て『質』の充足を優先したことを批判しているが、有り得ないと思うんですけれど???

急成長中のベンチャー企業を例にとっても容易に想像つきますが、伸びている最中はスピードこそが命。
とにかく質になんてかまってらんないから、まずは量でスピード最優先にし、成長を加速させ、その後、成長が端緒についてトレンドとして定着したら、徐々に内部固めをして質を重視した方向へ移っていくのが当たり前でしょう。

国でも同じ。急成長している際に質なんて言ってたら、成長の足枷になり、あっという間に景気は失速してしまいます。本当にまともな一般社会で働いたことのなく、批判だけで飯を食べているジャーナリズム&学者さんの世界は違いなあ〜と思いました。

もっとも象牙の塔に籠って非凡な研究をなされる学者や研究者も一部にはいるんでしょうが、中途半端な自称知識人は社会にとって毒にこそなれ薬になりませんね。

だから文科省が科研費削るって話になったんでしょうが・・・ねっ。

理想を唱えるのは誰でもできるし、現実の制約下で実際に実践されている方を批判し、足を引っ張る輩は多数いるけれど、語った理想を一部でも行動で実践し、実現している人は滅多にいない。

本書を読んで、まさにそう思った。
多数決原理の民主主義では妥協の産物にしかならないのが普通。
著者が本当にそう思うのなら、自らが立法に向けて行動されるとか、予算を現実的に成立させるだけの裏付けとなる方法を提示して欲しいと思った。

政策提言は(夢物語を語る)子供の希望を述べることではないと思った。
読むのは時間の無駄な本でした。
【目次】
第1章 住む場がなくなる
第2章 いびつな居住と住環境
第3章 居住実態の変容、そして固定化へ
第4章 「公」から市場へ―住宅政策の変容
第5章 諸外国に見る住宅政策
第6章 「居住の貧困」を克服できるか
居住の貧困 (岩波新書)(AMAZONリンク)
タグ:書評 住宅
posted by alice−room at 06:03| Comment(0) | TrackBack(0) | 【書評 未分類B】 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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