2017年02月26日

「怪書探訪」古書山 たかし 東洋経済新報社

本書は装丁があまりにもつまらなさそうで、全く期待せずに読みだしたのですが、どうしてどうしてなかなかに多彩な内容が詰まっていて、大変楽しく興味深く読みました。

署名本というのも、やっぱり惹かれちゃいますよね。
その署名の為だけにプレミアを付けた価格で売っているものを買うほど、欲しいのではないのですが署名があればやっぱり嬉しかったりします。

澁澤氏の署名や阿部欣也氏の署名とか、荒俣さんの本等、何冊か署名本持っていますが、その署名についての調査のくだりは好奇心をそそられます。

あと、著者は結構、書誌的な事にも関心があるようで本書の「楊牙児奇獄」の話とかは、その本自体には関心がないんですが、書誌的な話が非常に面白かったです。

他にもあっと驚くような奇抜な内容の所謂トンデモ本みたいなものから、正統派的な古書まで実にその関心の幅が広くて感心しちゃいます。

私も本なら何でも読む方ですが、ここまで関心の幅は広くないなあ~。
少しでも本に興味のある方なら、本書のどっかに面白いと思える箇所がありますので、読んで悪くないと思います。

ただね、平均して1日に3冊の本を購入って・・・。
いつ本を読むんでしょう???

勿論、古書好きにありがちなように全ての本を読んでいる訳ではなく、買うこと自体が耐え難い欲求になっていることも分かっているのですが、それでも・・・本、読み切れないじゃん!と思ってしまいます。

まあ、私も積読状態の本に囲まれながら、わざわざ図書館で本借りてきて、さらにネットやブックオフ、古書店で古書を買っているので偉そうに言えませんが、本の置き場所どうしているのか本当に疑問です。

私の場合、引っ越し後の荷解きに伴い、30~40箱分のもう読まないであろう本達を売り飛ばしましたが、売る一方で購入した本がその合間を埋めていくので早くも置き場所に困っている状況なんですけれどね。

ああ~古書店で本、買いたい。

そうそう、喜国氏の本棚探偵でもありましたが、本が手に入らないと自分で作っちゃうんだね。
やっぱり、本好きな人は!(と思っちゃいました)

私も気に入った本を2冊買って、1冊自分で装丁してみようかと思ったこともありましたが、着手していません。スマホケースは自作したのに・・・最近、なんかやる気がおきない・・・・orz。

まあ、家庭の事情もあるわけですが、今日は本読んで過ごしたいなあ~。
家事、炊事、洗濯等、慣れないことで疲れている私だったりします(食事作ってないけれど、ワンちゃんのお散歩もあるし・・・)。

本書は手元に置いておいても良い本かと。
【目次】
第1章 古書の海に溺れて
1 トーマス・マンの署名本をめぐる冒険
2 戦後最キョウ仰天本『醗酵人間』 降臨!
3 『醗酵人間』 復活への遥かなる道のり
4 二六五万円の辞典の思い出
column 痕跡本あれこれ(1)

第2章 探偵小説と歩み始めた我が古本人生
1 日本探偵小説史を決定付けた二つの作品
2 我が古書道人生のスタート
3 『怪人ジキル』との出会いが無間地獄の入り口だった
4 満州で刊行された幻の探偵小説
5 古本人生最大の危機
column ある古本屋の思い出

第3章 日本仰天本
1 日本文化にも影響を与えた日本探偵小説の祖
2 文豪、UFO問題に挑戦!?
3 大衆文学キングが描くモンスター小説!
4 キング・コングについてもう少々
5 ツチノコブームの火付け役
6 「不倫」と「創造」と「雪男」?
column 痕跡本あれこれ(2)

第4章 海外 仰天本
1 スターリンに喧嘩をふっかけた男
2 哲学者vs.エスパー『視霊者の夢』
3 ハックルベリー・フィンがコレラ菌に!?
4 「ディクスン・カー本」蒐集の面白さ
column 音楽に歴史が刻まれるとき
column 著者は名詮自性?

第5章 ひたすら 仰天本
1 桃太郎暗殺計画
2 高度経済成長期日本をオナラで席捲した屁道マスター
3 アジアが世界を転覆させる!?
4 哀れポーの名詩がヘンテコホラーに変貌!
5 オペラと落語が兄弟!?
column 夜の神保町
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ラベル:書評 古書
posted by alice-room at 07:05| Comment(0) | TrackBack(0) | 【書評 本】 | 更新情報をチェックする
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