もう少し本自体に触れた話もあるかと思ったのですが・・・所謂、古書にまつわる話とかそういうものはありません。町おこしに関連して「一箱古本市」みたいなのやりませんか? っていうことでお仕事絡みの単なる出張に際しての覚書といった感じの内容です。
「本」を縁とした人の繋がりで地域が活性化されるのは結構だと思うのですが、古書関連の興味で本書を読もうとするなら、やめた方が良いでしょう。
古書に関する話は本当に皆無に近い状況です。
また・・・本としてはあまりにも紙質が悪くないですかねぇ~。
再生紙か何かでしょうか?
すぐにボロボロになりそうな紙に小さいカラー写真が時々入っているのですが、正直、小さいし、あまり意味が無いのでせっかく写真を入れるなら、もう少し大きいものではないと思いました。
正直、プロの方がされているのとは思えません。
あえて意図されているのかもしれませんが、この内容、この『物』としての本に対してこの価格設定は納得できません。自腹では購入する気になれないと思います。
ただ・・・1点だけ本書を読んで私には意味のある情報がありました。
高田馬場にある崩壊仕掛けたまま何十年もあった喫茶店「らんぶる」の話だけ、私には長年の疑問というか気がかりだったので、ちょっと感動しました。
【以下、抜粋】ここだけは私にとっては値千金、ってほどではないけれど、なんかずっと気になっていたので少しでも知ることが出来て良かったです。あとは・・・まあ、本書を読む必要は無かったです。個人的には。
その先に進み、「あそこにある店がね・・・」と同行者に云おうとして、その先が続かない。
店があるはずの場所が更地になっていたからだ。ココには崩れかけのボロボロの建物があり、<らんぶる>という喫茶店をやっていた。名曲喫茶なのになぜかラジオの相撲中継がかかっていた。タキシードを着たマスターがやってきて「コーヒーでいいね」と有無を云わせず、泥水のようなコーヒーを持ってくる。サークル仲間と授業のハナシをしていたら、マスターが「ぼくも早大の哲学科だったんだよ」などと割り込んでくる、ヘンな店だった。ずっと前から店はやってなかったが、それでも建物は残っていた。ついにそれがなくなかったのだ。
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