2017年05月13日

「苦役列車」西村 賢太 新潮社

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最近の又吉氏の芥川賞受賞で脚光を浴びる(?)芥川賞ですが、私、受賞作家の作品をほとんど読んだことがなかったりする。ここのところ、TVで又吉氏の番組を見ることが何度かあってたまたまに頭にひっかかっていたところ、本書が目に入りました。

今時、『私小説』がどうたら・・・とかカバーの説明に書いてあり、時代錯誤の印象を受けながら、蟹工船とかがちょっと前に話題になったこともあり、改めて「格差社会」とか別な本でもあったなあ~という関連で本書を読んでみました。

で、書評の前に感想から入りますね。

まさしく時代錯誤かと。そもそも芥川賞ってこういうレベルの作品が対象になるんですね。

芥川龍之介の作品って洗練されているのに、芥川賞はいくら純文学対象といっても芥川の系譜とはおよそかけ離れた、本書はなんというか言葉も内容も汚い作品でした。

しかも表現も含めて内容もどうみても、そんなにリアル感がないんですが・・・。

なんというか、下層社会(?)を扱った作品は私も何冊か読んだことがありますが、そちらの方がより、リアルに生々しい社会の縮図というか、そこにある一個人の感情なんかが感じられますが、何故、本作品がこれで芥川賞なのか分かりません?

日雇いや期間工の話とかいくらでも文章であるんですが・・・別にルポとか体験談と私小説を分ける必要を感じませんし、文章として書かれている作品があれば、どれも同列にその内容で評価すべきだし、だとすれば、本書が他の似たような作品とは違うのってどこの点なんでしょう?

個人的にはとっても不思議でした。

例えば「だから山谷はやめられねえ」塚田 努 幻冬舎とか、うちのブログ内に多数あったりする他のものよりも本作品が良い点を見つけられませんでした。

あとまあなんというか、本書は端的に言って、作品としてのレベルは低いのでど素人の一読者としてはお薦めしません。これで本になって、賞も取れるんだあ~というのがとっても素朴な感想でした。

苦役列車 (新潮文庫) (amazonリンク)
posted by alice-room at 01:54| Comment(0) | TrackBack(0) | 【書評 小説C】 | 更新情報をチェックする
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