
もう10年以上前になるでしょうか。
劇団四季や山海塾とかと並行して、こういった小劇場の舞台をあちこち観ていたことがあります。
海外に行って、あちこち観たりもしましたが、個人的にはアングラ系の作品とかも好きだったりします。
蜷川さんとかも好きだったんだけどねぇ~。
お隣の街に住んでいたとは知りませんでしたが、最近亡くなられて寂しい限りです。
本書に出てくる人だと野田MAPや鴻上さんの作品は何本か観ています。
つかこうへいはちょっと違和感があり、避けていたかも?
唐さんのテントはねぇ~。
何度か花園神社でやってたの観に行こうと思いつつ、未だに一度も行ってません。
本書はそういった作品と時代背景を踏まえつつ、小劇場で演じられてきた舞台について観劇者の視点を多分に含みつつ、解説していきます。
実際に観た観客の一人として、その説明には思わず、確かに・・・と首肯する点が多く、またそういう観点があったのかと今更ながらに演じられた舞台の意味に気付かされる点も多数ありました。
読んでいて非常に興味深く、面白かったです。
ただ、今時のサークル的な仲間内仲良しグループノリや自己完結・自己満足型の昨今の小劇場作品は、どんなもんでしょうかね? あまり面白そうに思えません。実際、最近は全然観に行って無かったりする。
所詮、観客に向けた演劇と言っても演者の自己満足である点は確かに今も昔も変わらないんですが、それを観た観客として、満足できるか否かですよね。
私的には何らかの非日常的な刺激を受けに、舞台を観に行くのですが、日常の延長である作品は、正直観ていてダルイです。かったるい。
更にお金を払って、貴重な自由時間を割いてとなると、その辺、我慢できなくなってしまう・・・。
実際、会社の仕事を中断して舞台を観て、また会社に戻って残った仕事をしたりしていた頃、つまらない作品だった時は、上演中に我慢できずに途中で抜け出したこともあったりしたし・・・。
まあ、その辺は置いといて、改めて小劇場演劇の変遷というか、推移を俯瞰するには良い本だと思いました。
実際に当時(今)、観ていた人には興味深く読めるかと思います。
【目次】
第1章 「60年安保」のあと、「若者文化」は炸裂する
第2章 つかこうへいが、演劇を大衆化する
第3章 「カッコウいい」野田秀樹の登場
第4章 鴻上尚史は、若者の感性を刺激する
第5章 「何となくクリスタル」な80年代の演劇
小劇場の風景―つか・野田・鴻上の劇世界 (中公新書) (amazonリンク)
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