
なんちゃって文化論かと思っていたら、大真面目に文化論を語ろうとしていて、失笑した。
しかも、その文化論の根拠として当時の週刊誌からの抜粋が多々散見されるのですが、週刊誌ってその場、その場で適当に記者やライターがでっち上げで書き連ねたものでしょ。
それをあたかも当時の時代の正確な描写のように、一次資料扱いしてそれを更に適当に解釈して、文化論もどきの事を言っちゃったもん勝ちのノリで書いているのって、いかがなものでしょう?
心ある人が読むと読むに堪えないかと思いますが・・・?
というか、何故にホッピーなのか?
一応、ホッピーを介して文化論を論じるにあたり、その理由を書かれているのですが、全然納得いきません。
今時の居酒屋ブームに乗っかった感じで単にキャッチーなアイテムとして、選択し、事後的に理由をこじつけた感が半端無いです。
その辺が大残念です。
無意味な意味付けをした、文化論もどきではなく、単なるホッピーを巡る一考察ぐらいのノリで好き勝手にああだこうだと書きましたとすれば、もっと内容も膨らみ、共感を覚えて面白くなったかもしれないので、エセ文化論でつまらない内容になっています。
冗談で付けたタイトルかと思ったら、最後まで真面目にやろうとしているようで大変興醒めな作品でした。
【目次】ホッピー文化論 単行本(amazonリンク)
はじめに(碧海寿広)
I ホッピー大衆化の歴史的背景―戦後日本における飲酒文化の変容―(碧海寿広)
II ホッピーが醸し出すノスタルジア ―「昭和」から感じるなつかしさ─(藤野陽平)
III ホッピーをめぐる豊かな「物語」 ─ヘルシズム社会における酒の語られ方─(濱 雄亮)
IV 東京下町の男たちの〈酒〉から若者や女性も楽しめる〈酒〉へ ―メディアが創出するホッピー・イメージの変遷―(高橋典史)
V 浅草で正しくホッピーを飲む方法 ―下町と居酒屋の再想像―(岡本亮輔)
VI 孤高の「酒」ホッピー―あるいはホッピーの文化人類学─ (小林宏至)
おわりに(藤野陽平)