
タイトルにいきなり「絵本」とかいう文字が入っていて、思いっきりなめてかかっていました。過去の経験から言うと、この手の本って図が入っていて読み易い反面、必要な知識などが全然足りない場合が多くてせいぜいが概要把握に使えればヨシ、読む前はその程度しか期待していませんでした。
実際に読んでみると、私の予想は大外れ! 本書は図が入っていて分かり易いのですが、それ以上にきちんとした内容を過不足無く適切に説明していて、内容は想像以上に盛りだくさん。そこいらにある初心者用の入門書と比べると、はるかに水準も高いです。しかも、たった一時間程度で読了できたし。
実はSE用のネットワーク入門の本も買ってあって、それを読む前の準備体操代わりにこれを読んだのですが、今そちらの本を読みながら、改めて比較すると、本書の方がずっと説明が明確で分かり易いうえに、内容もこちらのレベルが上の部分もあってビックリしてます。あやうくタイトルに騙されるところでした。
普通にちょっとしたネットワーク絡みの話をするだけなら、ほとんどの場合に本書のレベルでも事足りるかと思います。ネットワークを専門とした仕事ならば事情は異なりますが、それでも本書で基本+αを押さえたうえで、更に高度の本へ進むステップとしてもOKではないでしょうか。
私も次はもう少し高度な本へと移行するつもりですが、これはネットワークに関心のある方なら、是非お薦めしたい本です。特に私のような初心者には最適だと思いますよ~。
他の入門書では分かり易くしようとして、変な例えで余計分かり難くなったり、逆に用語の説明だけで本質的な部分がイメージできない欠点がありましたが、本書ではそれらの問題点が克服されていると思います。
とにかくどの本を読むか、悩んでいるならまず本書を読んでから考えるべきでしょう。一時間は惜しくない投資だと思います。
【目次】TCP/IPの絵本 ネットワークっておもしろい!(amazonリンク)
TCP/IPの勉強をはじめる前に
第1章 TCP/IPの概要
第2章 通信サービスとプロトコル
第3章 アプリケーション層
第4章 トランスポート層
第5章 ネットワーク層
第6章 データリンク層と物理層
第7章 ルーティング
第8章 セキュリティ
付録