
本書を読むまで岡本太郎という人物を全く誤解しておりました。
パリとかにいたのは知っていたし、岡本かの子の子供であることも知っていましたが、ソルボンヌで民族学や社会学とかやっていたのは意外でした。
他にも芸術というものに対する、『真摯な』・・・という表現を通り越した、激烈な生き方という姿勢に感銘を受けました。若さ故というありきたりな言葉では語り切れない、情熱の迸りを感じる文章ですね。
実に興味深いです。
太陽の塔やグラスの底に顔があってもいいじゃないか。だけではなく、芸術家岡本太郎氏に強く関心を持ちました。
太陽の塔のコンセプトが当時の万博の経済成長に浮かれた中で、あの当時、距離を置いたスタンスであったこと、また、それを知りつつ、許容し、あえて岡本太郎氏に依頼した当時の万博の主催者、まだまだ日本に余力と勢いがあった当時が偲ばれます。本書を読んで、ふとそうしたことを思い浮かべました。
一読しておいて損はないかと。
著者の他の作品も読んでみたいなあ~と思いました。
【目次】芸術と青春 (知恵の森文庫) 文庫 (amazonリンク)
1 青春回想
2 父母を憶う
3 女のモラル・性のモラル