
以前、印刷博物館でカソリックの禁書目録の実物を見て感慨深かったのでふと目にして読んでみました。
う~ん、内容は思ったほど学術的ではないかもしれません?
もっと具体的且つ踏み込んだものかと想像していたのですが、実際はかなり総括的で個々の内容については表面的で薄っぺらですね。
でも、あまりこの手の本で手頃なものが無いように思っていましたので、手元に置いておいても悪くはないかもしれません。邪魔なだけかなあ~、う~ん?
ただ、いつの時代も為政者は体制維持の為に腐心し、その一方で関係者は複雑な利害関係の中で妥協と服従と脱法行為に勤しみ、自らの利益の為に行動してきたんだなあ~と思いました。
禁書に協力し、自らの出版を認めてもらって独占的利益を得つつも、その裏側で反体制側のパンフを印刷し、そちらはそちらで利益上げたりとかね。
もっとも今の時代の方がむしろ大規模に情報統制をしているものなあ~。
エシュロンしかり、中国のネット規制しかり。
うちのブログも中国からは見えないと言われたしなあ~。
まあ、形を変えた焚書坑儒も無くならないしねぇ~。
人間は時代を経ても本質は変わらないっていういい見本ですかね?
【目次】禁書: グーテンベルクから百科全書まで (amazonリンク)
出版規制
1検閲の起源
2教会と国家の狭間で
3無垢で思慮深い検閲
文化追放
1禁書目録
2講読禁止
3検閲と民衆購読
4科学
検閲の限界
1クレメンス目録後
2異端審問と抑圧
3寛容の起源
絶対主義と検閲
1国家検閲の優勢
2非合法市場
3黙認と偽書誌事項
4啓蒙、検閲、印刷の自由
エピローグ
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ラベル:書評