
NHKスペシャルの海軍400時間とか見たり、以前から陸軍とは異なった思考方法をする海軍という話を聴き、また、大海原で戦艦が大砲を打ち合う海戦では純粋に物量戦になる為、思考方法も必然的に精神論ではなく、物質主義にならざるを得ず、海軍のエリート養成機関である海軍兵学校もそれに沿った教育をしているというので関心があり、読んでみました。
その前の陸軍中野学校とかの本も読んでたしね。
期待していたのですが・・・。
読んでみた感想は、う~ん、私の期待したものは書かれてませんでした。
単なる年寄りの回顧話で終わっており、海軍兵学校の教育方針とかもっとロジカルな説明やそれに至った背景、またその教育が実際の戦争でどのように影響したのか等、その辺の考察やら説明はほとんどありませんでした。
体罰とかそういう表面的なものは、どうでもよく、もっと本質的な視点からの説明を期待したのですが、単なる昔は良かった。今は・・・とか年寄りの回顧話で終わっていて、本の半分を占める前半文章は不要です。
ただ、後半半分を占める資料部分は、純粋に面白いです。
ここだけは本書の価値あり、ですね。
【目次】
第1章 江田島の生活
第2章 聖訓五ケ条
第3章 海軍魂
第4章 英人の見た海軍兵学校
第5章 江田島再訪の記
参考資料編
海軍兵学校 江田島教育 (新人物文庫) (amazonリンク)
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「日本海軍400時間の証言」NHKスペシャル取材班 新潮社
「帝国陸軍の<改革と抵抗>」 黒野耐 講談社
「戦術と指揮」松村 劭 PHP研究所
「陸軍中野学校」加藤 正夫 光人社
「陸軍中野学校」斎藤 充功 平凡社
「大満洲国建設録」駒井徳三 中央公論社