
普段、随筆とかエッセイ系の本は読まないのですが・・・・タイトルと中をパラパラと眺めた時に視覚に入ってきた本がまさに山と積まれ、壁となり、崖となった部屋の様子を映した写真を見て、つい、ふらふらと購入しちゃいました。
早稲田大学でやってた古書市で初めて行ったものの、大した規模でなく、購入する本なんて無いと思っていたのに、結局、7、8冊買ってしまい、先日の神保町の古本祭りまでの金額には及ばないものの、冊数で上回っちゃいましたよ。
これから無職になるかもしれないのに・・・・あ~、いいのだろうか???
まあ、いいんでしょう、きっと・・・ね。
さて、全部で3篇からなる随筆集ってことになるのかな?本書は。
野球に全く興味がなく、タバコなんて大嫌いな私には残りの2編はつまらなくてそれらは邪魔なだけなんで本を破ってしまいたいところなのですが・・・(分量を減らしたい)・・・、これやると本がバラバラになってしまうんだよねぇ~。参考書とか資格系の使う本なら、よくやるのですが、ちょっとこの「本が崩れる」のところだけは残しておきたいので、そのまま、本をばらすことなく、そのまま新書として残しておきますかね。
以前、「本の重さで床が抜ける」?とかいうタイトルだった本も内容は無いけど、タイトルだけで残しておきたい本だった。
本書は、それよりはよっぽどマシなので、我慢して売り飛ばさずに部屋に置いておこう。
実際、こういう状況になってしまったら、もう人生終わりのような気もするのだけれど、それでいてどうしても少し憧れというかなんというか、一度経験してみたいような危うい誘惑にそそられる状況の描写が気になります。
でもねぇ~、うちにも戦前の本とかあるけど、黴臭いし、ちょっと扱いに困ったりもする。
他の綺麗な本とは一緒に並べられないし・・・黴が綺麗な本に写りそう、臭いや埃とかはてさて・・・???
そんなこと気にしているうちは、ビブリオマニアになれっこないのですが、ならない方が一番なのは自明ですしね。
やっぱり、極力、捨てるか借りるかして手元には置かないようにしないと・・・。
定期的に売ったりして、手放すようにはしているのですが、並行して買い集めた本が空いてる床や布団の周りを侵食していく姿はうちもそのままだし・・・、なんとか自室の範囲内に留め、部屋から出してはいけない!というのが家族としての生活を成り立たせる最低限度のマナーですしね。
趣味で集めていて、その度が超えないのが一番ですよね。
仕事としてたくさんの本を資料として必要とするようになると、それはそれで際限無さそうですし、著者も書かれてますが、歯止めがきかなくなるその様子が本書を読んでいて、痛いほど、実感させられます。
可能な限り図書館で読み、必要なところだけメモしてファイルかなんかにまとめておき、そのジャンルの基本書とか、メモでは到底おさまりきらないだけの大量の情報量・情報価値のある本だけ、購入して手元に置く、それぐらいしか私には大量の本をさばく方法が思いつきませんね。
まあ、読んでいる本のうち、自分にとって有意義と思える内容がある本なんて、ごく一部なのでその辺は私は幸福なのかもしれません。
必死になって集めよう、読もう、とかまで思ってない気楽さ故ですね。
もっとも日々の仕事でストレス抱えて、趣味の読書にまでストレスの原因になって欲しくない、切実にそう思いますし。
そうそう、本書の内容ですが、まさに平置きして山のように積んだ本が林立する著者宅で風呂場に入ったところで本が崩れ、崩れた本が戸を教えて、戸が開かなくなり、お風呂から出られなくなる、といった話です。
寝ていて、本が顔や体に振ってくるってのもありましたね。
3・11の本が崩れた昔の実家の自室を思い出します。あの時は復旧するまで1か月ぐらい、部屋放置していたっけ?
その後、古書店に美術書や百科事典等、明らかに重くて崩れたら大変な本が大量に出回っていたのを思い出します。
当然、安くなってましたが、誰も買わないでしょう。おかげで私はゴシック建築関係の部分だけ、美術全書のうち選んで安く購入したのでその手のが何冊か部屋に転がっていたりする。
まあ、それはそれとして。
本書は、愛書家の話ではありません。
蔵書家の話(?)、単にたくさん本を持っていてそれを資料として使っている人の話ですね。
愛書家には許されない本の扱いでしょうし・・・ね(笑)。
ただ、ここまで行けば、これはこれでアリなんじゃないかな?そう、思いました。
本書、一応、手元に残して置こうと思ってます。
【目次】
本が崩れる
素手もグローブ―戦後の野球少年時代
喫煙夜話「この夜に思残すこと無からしめむ」
随筆 本が崩れる (文春新書) (amazonリンク)
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